浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0164A01: | 樂。欲生我國。乃至十念。若不生者。不取正覺とい |
J17_0164A02: | へる本願の文の中には。平生の機あり。臨終の機あ |
J17_0164A03: | り。乃至は平生の機。十念は臨終の機なり。平生の |
J17_0164A04: | 機は乃至十年申て生れ。乃至一年申て生れ。乃至一 |
J17_0164A05: | 月申て生れ。乃至一日申て生れ。乃至一時申てむま |
J17_0164A06: | る。是皆壽命の長短。發心の遲速に由る也。これら |
J17_0164A07: | はみな一たび發心して後。淨土まで申べき尋常の機 |
J17_0164A08: | なり。臨終の機といへるは。病せまり命一念十念につ |
J17_0164A09: | づまりて後。知識の敎によりて。初て本願にあへる |
J17_0164A10: | 機也。臨終のために發し給へる一念十念を平生に引 |
J17_0164A11: | 上て。一念十念にも生れば。念佛はゆるけれども。 |
J17_0164A12: | 往生不定には思べからずと申人は。ゆゆしきあやま |
J17_0164A13: | り也。念念不捨者。是名正定之業。順彼佛願故の釋 |
J17_0164A14: | は。本願の中の乃至の機の。上盡一形に數返を勵み |
J17_0164A15: | て。本願に相應すべき道理を釋しあらはし給へる |
J17_0164A16: | 事。一念に往生たりぬと信じて。念佛懈怠ならん人 |
J17_0164A17: | は。信をもて行をさまたげたる也。又數返の功德つ |
J17_0164B18: | みてこそ生るなれ。一念十念に生すべからずといへ |
J17_0164B19: | る人は。行をもて信を妨くる人也。然則信をば一念 |
J17_0164B20: | に生ると信じて。行をば一形に勵むべしとぞ仰られ |
J17_0164B21: | ける。又一の疑に云。持戒のものの念佛の數返を少 |
J17_0164B22: | 候と。破戒のものの念佛の數返多く候と。往生の後。 |
J17_0164B23: | 位の淺深いかが候べきと申ければ。所居の疊を指て |
J17_0164B24: | 曰。疊の有に付て破れたると。不破との論也。全く |
J17_0164B25: | 疊なくば如何ぞ破たると破ざるとの論やあらん。そ |
J17_0164B26: | の樣に末法の中には持戒もなく。破戒もなし。只名 |
J17_0164B27: | 字の比丘のみ有り。傳敎大師の末法燈明記に。くは |
J17_0164B28: | しく此旨をあかし給へる。其上に。持戒破戒のさた |
J17_0164B29: | あるべからず。如此凡夫のために發す所の本願也。 |
J17_0164B30: | いそぎてもいそぎても名號を稱べしとぞ仰られける。又一 |
J17_0164B31: | のうたがひに云。念佛の行者毎日の所作にこゑをた |
J17_0164B32: | てたる人もあり。又心に念じて數をとる人もあり。 |
J17_0164B33: | 何を本とすべく候らんと申ければ。口に唱へ心に念 |
J17_0164B34: | ずる同名號なれば。いづれもいづれも皆往生の業となる |