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J2410 九巻伝 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0161A01: 地震動せり。奇瑞一にあらず。諸人言語を絶す。翌
J17_0161A02: 日子刻に入棺。此時又異香音樂の瑞相先のごとし。
J17_0161A03: 同き卯の時にいたりて。紫雲西よりきたりて家のう
J17_0161A04: ゑにとどまる事一時餘りありて後。西の天をさして
J17_0161A05: のぼりぬ。是等の瑞相等遺言に任て。聖覺法印の許
J17_0161A06: へ注し送れり。本願稱名の不思議。諸佛證誠の誠言
J17_0161A07: まことに言語の及ふ所に非ず。貴といふも返て愚成
J17_0161A08: 者か。
J17_0161A09: 禪勝房事
J17_0161A10: 遠江國蓮花寺の禪勝房は。熊谷入道の勸によりて。
J17_0161A11: 吉水の御坊へ參て。無智の罪人の極樂淨土に往生す
J17_0161A12: る事の侍るなるをうけたまはらんと申ければ。上人
J17_0161A13: 仰られけるは。其極樂の主にておはします阿彌陀佛
J17_0161A14: こそ。何事をもしらぬ罪人どもの。諸佛菩薩にも捨
J17_0161A15: られはてられ。十方の淨土にも門をさされたる輩
J17_0161A16: を。やすやすと助救はんといふ願を發して。十方世
J17_0161A17: 界の衆生を來迎し給ふ佛に。かしこくぞ思ひより給
J17_0161B18: ける。心を靜めてよくよくきかるべし。唐土より日
J17_0161B19: 本へ渡しまいらせたる一切經は五千餘卷あり。その
J17_0161B20: 中往生極樂の爲にとて。双卷無量壽經。觀無量壽經。
J17_0161B21: 小阿彌陀經。これを淨土の三部經と名く。無量壽經
J17_0161B22: には昔法藏比丘と申入道。四十八願を發して。極樂
J17_0161B23: 淨土を建立して。眞實に往生せんとおもふ衆生をむ
J17_0161B24: かへをきて。遂には佛になさせ給ふ也。佛に成らんと
J17_0161B25: 思はん人は。先極樂を欣ふべき也。法藏比丘。一切
J17_0161B26: 衆生を平等に往生せさせん料に。我佛になりたらん
J17_0161B27: 時の名號を稱念せさせんといふ願を發したまへる四
J17_0161B28: 十八願の中の第十八の願是也とて。本願の由來。念
J17_0161B29: 佛して往生すべき趣きくはしくおほせきかせられて
J17_0161B30: 後。一百餘日祇候して。條條の不審を上人にたづね
J17_0161B31: 申ける中に。一の疑に。三心の事を尋申けるに。上
J17_0161B32: 人のたまはく。三心を具する者は。必ず彼國に生と
J17_0161B33: 説給へり。此三心は本願の至心信樂欲生我國の文を
J17_0161B34: 成就する文也。然則念佛せん人は。此三心を具して

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