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J2410 九巻伝 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0158A01: しけるが。我うけ給はりつるやうを。互に書付て出
J17_0158A02: さんといひて。別別に書て出せば。ただ同歌にてぞ
J17_0158A03: 有ける。念佛の法門にとりて。名號のほかに甚深の
J17_0158A04: 義をきかんと云。其義不可然。又餘の法門の甚深
J17_0158A05: ならんをきかんと申も不可然候。往生の業には。
J17_0158A06: 只南無阿彌陀佛と唱ふる外には。又子細もあるまじ
J17_0158A07: きぞと示されけるうへには。名號を唱て往生を願
J17_0158A08: を。神明の感應ありといふ事明かなり。されば彼の
J17_0158A09: 御託宣には。
J17_0158A10: 我昔出家名法藏。 得成報身住淨土
J17_0158A11: 今來娑婆世界中 即爲護―念念佛人
J17_0158A12: とて。念佛のものをのみ守るぞとこそ仰られたり。
J17_0158A13: 佛の慈悲をたのむにも。神の和光をあふぐにも。た
J17_0158A14: だ念佛を唱て往生を願ふべき者也。
J17_0158A15:
J17_0158A16:
J17_0158A17:
J17_0158B18: 法然上人傳記卷第四下
J17_0158B19:
J17_0158B20: 熊谷入道往生事 禪勝上人事
J17_0158B21: 津戸三郞被召將軍御所へ事尼妙眞往生事
J17_0158B22: 熊谷入道往生事
J17_0158B23: 武藏國の御家人熊谷次郞直實は。平家追討の時度度
J17_0158B24: の合戰に忠をいたしき。中にも一谷の合戰に高名を
J17_0158B25: 極めしかば。武勇の名を一天に揚。弓箭の德を四海
J17_0158B26: に流して。上なき武人也し事。人みなこれをしれ
J17_0158B27: り。しかるに發心時いたりけるにや。右大將家を恨
J17_0158B28: み申事有て。俄に出家して。法名を戀西とぞ申け
J17_0158B29: る。はじめは伊豆國走湯山に參籠しけるが。上人の
J17_0158B30: 念佛弘通の次第を。京都より下れる尼公の語り申け
J17_0158B31: るをききて。やがて上洛して。先澄憲法印のもとへ
J17_0158B32: 向ひて。見參に入べきよしを申入て。對面を相待ほ
J17_0158B33: どの手すさみに。刀をとぎけるを。何事の料ぞと人
J17_0158B34: 申ければ。これへ參るは後生の事を尋申さん爲也。

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