浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0157A01: | の感應を喜び。渴仰の頭を傾ける。傳聞諸人をとら |
J17_0157A02: | じと念佛をつとめける。楞嚴院解脱谷の南光坊阿闍 |
J17_0157A03: | 梨靜朝と云ひしもの。此念佛を勤修せざる間。或時 |
J17_0157A04: | のゆめに。社頭へまいりてみやめぐりしけるに。先 |
J17_0157A05: | 大宮へまいりてそれより聖眞子の社へまいりぬ。寳 |
J17_0157A06: | 前の庭を見れば。鏡のごとく内外明にして。瑠璃の |
J17_0157A07: | 大地のごとし。是を見るに誠に心もいさぎよく身も |
J17_0157A08: | 涼しき心地也。法施奉て後。氣比聖母の方へ過ゆか |
J17_0157A09: | んとするに。神殿より高さ三尺計の金色の貴僧出ま |
J17_0157A10: | しまして。此前を行過る事叶べからず。罷歸れと仰 |
J17_0157A11: | らるる間。諸人皆通過候めり。靜朝にかぎりて歸し |
J17_0157A12: | 候はん事は。歎入候よしを申に。彼行過諸人は皆聖 |
J17_0157A13: | 眞子の不斷念佛をつとめたるもの也。汝はいまだか |
J17_0157A14: | の念佛に結縁せず。早く罷かへれと示さるると見て |
J17_0157A15: | 夢さめぬ。軈て懺悔を致し。殊に信心を深くして。 |
J17_0157A16: | 在生の間懈怠なく念佛を勤き。勢多の尼と云ひしも |
J17_0157A17: | の。賀茂の社にまいりたりけるに。神供を備へける |
J17_0157B18: | を見て。此神はことに何をかは好み侍らん。尋て參 |
J17_0157B19: | らせばやと。氏人に申ければ。とりわき何ものを御 |
J17_0157B20: | 好と云ふ事なし。只志によるべしと返答す。此尼其 |
J17_0157B21: | 夜のゆめに。賀茂の大明神。わがこのむものは念佛 |
J17_0157B22: | 也。好物をたむくべくば。念佛を申べしと示し給ひ |
J17_0157B23: | ければ。よき聲の念佛者をあつめて。社頭にして七 |
J17_0157B24: | 日の間。勇猛精進の念佛を勤修して法樂せり。中比 |
J17_0157B25: | 往生をいのるもの二人侍りき。八幡へ參て祈請しけ |
J17_0157B26: | る樣。二人意巧異也。一人は念佛申て往生すべくば。 |
J17_0157B27: | 念佛の法門にとりていかなる甚深の義を學して往生 |
J17_0157B28: | すべく候ぞ示し給へと祈。一人は念佛の外になを入 |
J17_0157B29: | たちて。甚深の法門を學して往生すべく候はん。然 |
J17_0157B30: | ばいかなる法門にて候。これを示し給へと祈りけ |
J17_0157B31: | り。七日滿ずる夜二人同ふしたる夢の中に。 |
J17_0157B32: | あらはやな又もあらはやをしゆへき |
J17_0157B33: | 南無と唱ふることの外には |
J17_0157B34: | と。二人ともに此告を蒙て。夢覺て後是を語らんと |