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J2410 九巻伝 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0152A01: れを拜すといへども。なを扉の内には入られず。天
J17_0152A02: 智天王の建立。五丈石像の彌勒のまへには。仰て是
J17_0152A03: を禮拜すれども。なを壇の上には障りあり。金峰山
J17_0152A04: の雲の上。醍醐のかすみのそこまでも。女人更にか
J17_0152A05: げをささず。悲哉。兩足ありといへども。登ざる峰
J17_0152A06: あり。ふまざる佛の庭あり。恥哉。兩眼明かなりと
J17_0152A07: いへども。見ざる靈地有。拜せざる靈像あり。此の
J17_0152A08: 穢土の瓧礫荊棘の山澤。泥木素像の佛にだにも。な
J17_0152A09: を其障あるほどのつみ重き身なれば。諸經諸論の中
J17_0152A10: にも嫌はれ。在在所所にも擯出せられて。三途八難
J17_0152A11: にあらざるよりはおもむくべき方もなく。六趣四生
J17_0152A12: にあらざるよりはうくべき形もなく。されば道宣は
J17_0152A13: 經を引て。十方世界に女人ある所には必地獄ありと
J17_0152A14: 釋し給へり。如此三世諸佛にも捨はてられ。十方淨
J17_0152A15: 土にも門をさされたる罪惡の女人をば。只彌陀のみ
J17_0152A16: ぞ助救はんといふ願を發給へる。誠にたのもしきか
J17_0152A17: な。所謂四十八願の中の第十八の念佛往生の願に。
J17_0152B18: 十方衆生。至心信樂。欲生我國。乃至十念。若不生
J17_0152B19: 者。不取正覺とちかひ給へば。一切善惡の男女皆是
J17_0152B20: にもれたるはなけれども。第三十五の願に別して女
J17_0152B21: 人往生の願を立給へり。是則女人は一切の事にをい
J17_0152B22: てうたがひをなす間。十方衆生とちかひ給へども。
J17_0152B23: つみふかき女人はよも入じとうたがひて。念佛往生
J17_0152B24: のやくにもれぬべきがゆへに。別して女人往生の願
J17_0152B25: をば建給へる也。つたなき穢土の境にだにも猶嫌は
J17_0152B26: れて。障重き女人なれども。本願をたのみて名號を唱
J17_0152B27: へば。出過三界。萬德究竟の報土にむかへとらんと
J17_0152B28: 願じたまへる廣大慈悲のかたじけなきは。申に詞を
J17_0152B29: もつて述がたきもの也。善導和尚。今の女人往生の
J17_0152B30: 願を釋し給へるには。彌陀の大願力に乘ずるがゆへ
J17_0152B31: に。女人佛の名號を稱すれば。命終の時。女身を轉
J17_0152B32: じて男子と成事を得て。彌陀手を授け。菩薩身を扶
J17_0152B33: て寶花のうへに坐せしめ。佛にしたがひて奉て往生
J17_0152B34: して無生を悟とも釋し。又一切の女人。若彌陀の本

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