浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0152A01: | れを拜すといへども。なを扉の内には入られず。天 |
J17_0152A02: | 智天王の建立。五丈石像の彌勒のまへには。仰て是 |
J17_0152A03: | を禮拜すれども。なを壇の上には障りあり。金峰山 |
J17_0152A04: | の雲の上。醍醐のかすみのそこまでも。女人更にか |
J17_0152A05: | げをささず。悲哉。兩足ありといへども。登ざる峰 |
J17_0152A06: | あり。ふまざる佛の庭あり。恥哉。兩眼明かなりと |
J17_0152A07: | いへども。見ざる靈地有。拜せざる靈像あり。此の |
J17_0152A08: | 穢土の瓧礫荊棘の山澤。泥木素像の佛にだにも。な |
J17_0152A09: | を其障あるほどのつみ重き身なれば。諸經諸論の中 |
J17_0152A10: | にも嫌はれ。在在所所にも擯出せられて。三途八難 |
J17_0152A11: | にあらざるよりはおもむくべき方もなく。六趣四生 |
J17_0152A12: | にあらざるよりはうくべき形もなく。されば道宣は |
J17_0152A13: | 經を引て。十方世界に女人ある所には必地獄ありと |
J17_0152A14: | 釋し給へり。如此三世諸佛にも捨はてられ。十方淨 |
J17_0152A15: | 土にも門をさされたる罪惡の女人をば。只彌陀のみ |
J17_0152A16: | ぞ助救はんといふ願を發給へる。誠にたのもしきか |
J17_0152A17: | な。所謂四十八願の中の第十八の念佛往生の願に。 |
J17_0152B18: | 十方衆生。至心信樂。欲生我國。乃至十念。若不生 |
J17_0152B19: | 者。不取正覺とちかひ給へば。一切善惡の男女皆是 |
J17_0152B20: | にもれたるはなけれども。第三十五の願に別して女 |
J17_0152B21: | 人往生の願を立給へり。是則女人は一切の事にをい |
J17_0152B22: | てうたがひをなす間。十方衆生とちかひ給へども。 |
J17_0152B23: | つみふかき女人はよも入じとうたがひて。念佛往生 |
J17_0152B24: | のやくにもれぬべきがゆへに。別して女人往生の願 |
J17_0152B25: | をば建給へる也。つたなき穢土の境にだにも猶嫌は |
J17_0152B26: | れて。障重き女人なれども。本願をたのみて名號を唱 |
J17_0152B27: | へば。出過三界。萬德究竟の報土にむかへとらんと |
J17_0152B28: | 願じたまへる廣大慈悲のかたじけなきは。申に詞を |
J17_0152B29: | もつて述がたきもの也。善導和尚。今の女人往生の |
J17_0152B30: | 願を釋し給へるには。彌陀の大願力に乘ずるがゆへ |
J17_0152B31: | に。女人佛の名號を稱すれば。命終の時。女身を轉 |
J17_0152B32: | じて男子と成事を得て。彌陀手を授け。菩薩身を扶 |
J17_0152B33: | て寶花のうへに坐せしめ。佛にしたがひて奉て往生 |
J17_0152B34: | して無生を悟とも釋し。又一切の女人。若彌陀の本 |