浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0151A01: | 財を奪を業として。人に過たる罪人なれば。先業の |
J17_0151A02: | 修因。又惡のきはまりなる事暗にしられたりける罪 |
J17_0151A03: | 人なれども。本願の念佛に歸しぬれば往生に障なし。 |
J17_0151A04: | 況其餘の人をや。またく罪の輕重をいふべからず。 |
J17_0151A05: | 只念佛を申べきなり。 |
J17_0151A06: | 女人往生願事 |
J17_0151A07: | 或時宮仕人かとおぼしくて。尋常なる尼女房達あま |
J17_0151A08: | た友なひて。上人へ參りて。罪ふかき我等ごときの |
J17_0151A09: | 五障の女人も念佛を申せば。極樂に往生すべきよし |
J17_0151A10: | 仰の候なるは。誠にて侍るやらん。明にうけ給りた |
J17_0151A11: | きよし申ければ。仰られけるは。彌陀の大願をたの |
J17_0151A12: | むより外は。女人更に往生の望を遂べからず。大願 |
J17_0151A13: | の忝事をよくよくきかるべし。女人は障重く罪深が |
J17_0151A14: | 故。一切の所にはみな嫌れたり。是則内に五障あり。 |
J17_0151A15: | 外に三從あるがゆへ也。五障と云へるは。一には梵 |
J17_0151A16: | 天王とならず。二には帝釋とならず。三には魔王と |
J17_0151A17: | ならず。四には轉輪王とならず。五には佛身となら |
J17_0151B18: | ずといへり。既に大梵高臺の閣にもきらはれて。梵 |
J17_0151B19: | 衆。梵輔の雲をのぞむ事なく。帝釋柔軟の床にもく |
J17_0151B20: | だされて。三十三天の花をもてあそぶ事なし。六天 |
J17_0151B21: | 魔王の位。四種輪王の跡。望たえて。影をささざれ |
J17_0151B22: | ば。天上天下のいやしき果報。無常生滅の拙き身に |
J17_0151B23: | だにもならず。況諸佛の淨土をもひよるべからず。 |
J17_0151B24: | 日本國にだにも。貴くやごとなき靈地靈驗の砌には。 |
J17_0151B25: | 毎毎くきらはれたり。所謂比叡山は傳敎大師の建 |
J17_0151B26: | 立。桓武天王の御願なり。大師自結界して。谷をさ |
J17_0151B27: | かひ峰を限て。女人の形を入られざれば。一乘の峰 |
J17_0151B28: | たかく顯て。五障の雲たなびく事なく。藥師醫王の |
J17_0151B29: | 靈像は。耳にききて目には見ず。大師結界の靈地は。 |
J17_0151B30: | 遠く見てちかくのぞまず。高野山は弘法大師結界の |
J17_0151B31: | 峯。眞言上乘繁昌の地也。三密の月輪遍く照といへ |
J17_0151B32: | ども。女人非器のやみをば不照。五瓶の智水ひとし |
J17_0151B33: | く流と云へども。女人垢穢のあかをば灌がず。聖武 |
J17_0151B34: | 天王の御願。十六丈金銅の舍那のまへには。遙にこ |