ウィンドウを閉じる

J2410 九巻伝 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0135A01: 往生疑なく候。此旨こそ。深く存ずる事にて候へば。
J17_0135A02: 人にも申聞かせ。身にも存候へ。見參にそ申さまほ
J17_0135A03: しく候へども。今は互にかなはぬ事にて候へば。あ
J17_0135A04: らあら申候也。阿性房はかやうの事も是にて聞な
J17_0135A05: れ。思入られたる事にて候へば。たづねきかせ給べ
J17_0135A06: く候云云。又同年十月十二日に重て津戸入道に。遣
J17_0135A07: されたる善惠上人の狀云。當時關東の學者の中に。
J17_0135A08: 或は無智の人は往生せず。臨終正念にして命終すと
J17_0135A09: も往生とは不可定と云。或は學者たとひ臨終狂亂
J17_0135A10: すとも。なをこれ往生也と云事。返返ひが事にて候
J17_0135A11: 也。若無智の人往生せずといはば。彌陀の本願已に
J17_0135A12: 機を嫌になる。其理不可然。他力本願を信ぜば。
J17_0135A13: 有智無智みな往生すべし。信心を發して後は。學不
J17_0135A14: 學は人の心に隨ふべきなり。然を其智淺くして。學
J17_0135A15: を好む輩。人をそしり。己をほめんが爲に。如此説
J17_0135A16: をいたすか。また臨終正念なりとも。往生を不可
J17_0135A17: 得と云事。本願を信ずる人。正念に住せん上は。何
J17_0135B18: ぞ往生せすと云べき。本願を信ぜさるの輩の。臨終
J17_0135B19: 正念は。實に往生と定がたし。不信の人の臨終をも
J17_0135B20: て。信者をみだる條。無其謂候。又學生は臨終狂
J17_0135B21: 亂すとも。往生と定べしと云事。經文の中に。其文。
J17_0135B22: 惣じて見及候はず。又道理不可然。凡極樂におき
J17_0135B23: ては專本願を信ずるによる。又學生によらず。又無
J17_0135B24: 智によらざる也。信心若發ば。有智無智も。臨終必
J17_0135B25: 正念に住すべし。何ぞ學生に至りて。正念を捨や。
J17_0135B26: 若學生なりとも。臨終狂亂せんは。是本より信心な
J17_0135B27: き故也。但下品下生の人。此人苦逼不遑念佛等の文に
J17_0135B28: 異義を存せる輩歟。此文の意は只死苦の失念なり。
J17_0135B29: 全狂亂顚倒の相にあらず。されば釋には臨終正念金
J17_0135B30: 花來應也といへり。たとひ病死の苦痛ありとも。念
J17_0135B31: 佛の行をこたらずば。必ず正念と云へる義也。凡苦
J17_0135B32: 痛與顚倒。其體大に異なるゆゑに候。如此の妄説
J17_0135B33: 不可有御信用。只一向本願を馮て。御念佛不懈
J17_0135B34: 候事。可爲本意候也云云。本師上人の義理は請文

ウィンドウを閉じる