ウィンドウを閉じる

J2410 九巻伝 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0134A01: たらんものは。たとひ臨終の時。いかなる狂亂をし。
J17_0134A02: くるひ顚倒したりとも。決定往生也と候なる此事。
J17_0134A03: 御房中に。いか樣に思召たると云事。慥の便宜の時
J17_0134A04: 可被仰候。加樣申せば。尊願が合點なき事を申と
J17_0134A05: ぞ。思召ぬ事にて候へども。學問せぬ人の内内歎申
J17_0134A06: 候間申候也と云云。同年九月三日。善惠上人返狀云。
J17_0134A07: 阿性房のもとへの便につけて。御不審候ける樣承候
J17_0134A08: こそ。存の外に候へ。其後。申披べきよし存候へど
J17_0134A09: も。慥の便を不得候間。思ながら過候程に。御所勞
J17_0134A10: とて阿性房下向せられ候便を悅で申候。學問せざる
J17_0134A11: ひら信じの念佛は。往生すべからざるよし。此邊に
J17_0134A12: 申と聞え候らん。極めたるひが事にて候也。本願の
J17_0134A13: 理をよく思入て。平に信じて學問せざるも。又文に
J17_0134A14: 付て學するも。落つく所は。只同く南無阿彌陀佛に
J17_0134A15: て往生すべきにてこそ候へ。ただし平信じとて。本
J17_0134A16: 願のありさまをもしらず。善惡の因果をも不辨た
J17_0134A17: だ南無阿彌陀佛と申ばかりにて。往生すと心えたる
J17_0134B18: 輩。當世にただこれは一往は信ずるに似たりといへ
J17_0134B19: ども。悉く尋ればさして思入たる所なし。ふかく信
J17_0134B20: ずる義候はざる也。是をひら信じと不及申候也。
J17_0134B21: 加樣の輩に向ては。本願の不空。凡夫を攝するいは
J17_0134B22: れ。一分にてもかまへて心えよと申きかせ候也。是
J17_0134B23: が聞へ候やらん。正しく本願のむなしからざる事を
J17_0134B24: 信たる上に。機に隨て。或は平に願力を信じて。我
J17_0134B25: 心に立ぬと思ひて。念佛する人も候。或は本願を信
J17_0134B26: ずる上は。彌彌理をあきらめん爲に。學問して思入
J17_0134B27: るる人も候。意樂おなじからずといへども。往生は
J17_0134B28: 全く異ならず候を。學問する人は學せざる人をそし
J17_0134B29: り。學せざる人は學問する人をそしる事。相互に極
J17_0134B30: たるひが事也。ただ所詮は法藏ぼさつ。乃至十念の
J17_0134B31: ちかひにこたえて。衆生稱名稱念せばかならず生る
J17_0134B32: べき理の極りて。已に阿彌陀佛に成て。善惡の凡夫
J17_0134B33: をもらさず。攝し給へるゆへに。釋迦も是をとき。
J17_0134B34: 諸佛の證誠も不空事を馮て。御念佛候はば。更に御

ウィンドウを閉じる