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J2410 九巻伝 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0133A01: 儀につき候歟。又一の御疑云。縱ひ深信をおこし。
J17_0133A02: 專稱を致すとも。重罪を犯して後。更に懺悔念佛せ
J17_0133A03: ずば。順次の往生遂がたく候歟。上人請文に云。此
J17_0133A04: 義神妙に候。乃至一念無有疑心の釋は。上盡一形下
J17_0133A05: 至十聲等にても。決定往生すべしと信ずべき也。雖
J17_0133A06: 然一念の後。又稱念せず。ならびに犯罪せば。なを
J17_0133A07: 決定往生と信ずべきにあらず。如此信候は。一重深
J17_0133A08: 心に似たりといへども。還て邪見と成候歟。近來此
J17_0133A09: 邪見に住する輩多候也と。又一の御疑云。一生不退
J17_0133A10: の念佛は。不慮に重罪を犯じて後。いまだ懺悔念佛
J17_0133A11: せずして命終せんものは。前の念佛の功によりて往
J17_0133A12: 生すべき歟。將又後の犯罪の咎によりて往生すべか
J17_0133A13: らざる歟と。上人の請文云。不慮の犯罪。その過頗
J17_0133A14: 輕と云とも。往生においては尚不定に候。其ゆへは
J17_0133A15: 已作の罪。懺悔を不用して。善業を障すといふ事な
J17_0133A16: く候故也。右の御書に。善惠上人をめさるるよしを
J17_0133A17: のせられける間。條條不審を答申されて後。御請文
J17_0133B18: の奧に。被召弟子の僧。善惠房は今明日の間に進べ
J17_0133B19: く候。愚意の所存。聊も違せざる者にて候とのせら
J17_0133B20: れける上は。善惠上人の義更に本師上人の義に違す
J17_0133B21: べからず。されば津戸入道は。上人御往生の後は。
J17_0133B22: 不審の事をば。善惠上人にたづね申けるに。彼返狀。
J17_0133B23: 全く上人勸化の詞に違せず。所謂文曆元年の比。關
J17_0133B24: 東の念佛者の中に。善惠上人の義迚。無智の者は念
J17_0133B25: 佛申とも不可往生。正念に住して臨終みだれずと
J17_0133B26: も。往生とは云べからず。又學生は臨終の時。狂亂
J17_0133B27: 顚倒して終とも。決定往生といふべしと申ける間。
J17_0133B28: 善惠上人にたづね申ける津戸入道の狀云。念佛往生
J17_0133B29: の際の事。彌陀の本願に任也。善導和尚の御釋。故
J17_0133B30: 上人の御房の御勸によて。上百年にいたり。下一日
J17_0133B31: 七日十聲一聲に至まで。念佛往生は決定のよしを承
J17_0133B32: て。往生をねがひ候處に。當時の關東の學生のおほ
J17_0133B33: せ候とて。無智にては勤めたりとも。臨終閑にてお
J17_0133B34: はりたりとも。往生したりとは不可思。又學文し

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