浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0133A01: | 儀につき候歟。又一の御疑云。縱ひ深信をおこし。 |
J17_0133A02: | 專稱を致すとも。重罪を犯して後。更に懺悔念佛せ |
J17_0133A03: | ずば。順次の往生遂がたく候歟。上人請文に云。此 |
J17_0133A04: | 義神妙に候。乃至一念無有疑心の釋は。上盡一形下 |
J17_0133A05: | 至十聲等にても。決定往生すべしと信ずべき也。雖 |
J17_0133A06: | 然一念の後。又稱念せず。ならびに犯罪せば。なを |
J17_0133A07: | 決定往生と信ずべきにあらず。如此信候は。一重深 |
J17_0133A08: | 心に似たりといへども。還て邪見と成候歟。近來此 |
J17_0133A09: | 邪見に住する輩多候也と。又一の御疑云。一生不退 |
J17_0133A10: | の念佛は。不慮に重罪を犯じて後。いまだ懺悔念佛 |
J17_0133A11: | せずして命終せんものは。前の念佛の功によりて往 |
J17_0133A12: | 生すべき歟。將又後の犯罪の咎によりて往生すべか |
J17_0133A13: | らざる歟と。上人の請文云。不慮の犯罪。その過頗 |
J17_0133A14: | 輕と云とも。往生においては尚不定に候。其ゆへは |
J17_0133A15: | 已作の罪。懺悔を不用して。善業を障すといふ事な |
J17_0133A16: | く候故也。右の御書に。善惠上人をめさるるよしを |
J17_0133A17: | のせられける間。條條不審を答申されて後。御請文 |
J17_0133B18: | の奧に。被召弟子の僧。善惠房は今明日の間に進べ |
J17_0133B19: | く候。愚意の所存。聊も違せざる者にて候とのせら |
J17_0133B20: | れける上は。善惠上人の義更に本師上人の義に違す |
J17_0133B21: | べからず。されば津戸入道は。上人御往生の後は。 |
J17_0133B22: | 不審の事をば。善惠上人にたづね申けるに。彼返狀。 |
J17_0133B23: | 全く上人勸化の詞に違せず。所謂文曆元年の比。關 |
J17_0133B24: | 東の念佛者の中に。善惠上人の義迚。無智の者は念 |
J17_0133B25: | 佛申とも不可往生。正念に住して臨終みだれずと |
J17_0133B26: | も。往生とは云べからず。又學生は臨終の時。狂亂 |
J17_0133B27: | 顚倒して終とも。決定往生といふべしと申ける間。 |
J17_0133B28: | 善惠上人にたづね申ける津戸入道の狀云。念佛往生 |
J17_0133B29: | の際の事。彌陀の本願に任也。善導和尚の御釋。故 |
J17_0133B30: | 上人の御房の御勸によて。上百年にいたり。下一日 |
J17_0133B31: | 七日十聲一聲に至まで。念佛往生は決定のよしを承 |
J17_0133B32: | て。往生をねがひ候處に。當時の關東の學生のおほ |
J17_0133B33: | せ候とて。無智にては勤めたりとも。臨終閑にてお |
J17_0133B34: | はりたりとも。往生したりとは不可思。又學文し |