浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
J17_0132A01: | 機の拙く。道心なきほどもあらはれぬれ。かかる愚 |
J17_0132A02: | なる身ながら。南無阿彌陀佛と唱る所に。佛の願行 |
J17_0132A03: | 悉く圓滿するゆゑに。ここが白木の念佛の忝にては |
J17_0132A04: | ある也。機におひては安心も起行も。眞すぐなく。 |
J17_0132A05: | 前念も後念も皆おろか也。忘想顚倒の惑は。日を逐 |
J17_0132A06: | てふかく。寐も寤も。惡業煩惱にのみ。ほだされて |
J17_0132A07: | 居たる身のうちより出る念佛は。いと煩惱にかわる |
J17_0132A08: | べしとも覺ぬうへ。定散の色どり一もなき稱名なれ |
J17_0132A09: | ども。前念の名號に。諸佛の實を接するゆへに。心 |
J17_0132A10: | 水泥濁にそまず。無上功德を生する也。中中に心を |
J17_0132A11: | そへず申せば。生ると信じてほれぼれと南無阿彌陀 |
J17_0132A12: | 佛と唱が。本願の念佛にてはある也。これを白木の |
J17_0132A13: | 念佛とは云なりとぞ仰られける。當世も自力根性の |
J17_0132A14: | 人は。念佛に付て。いろいろの彩色を加へ餘行を指 |
J17_0132A15: | 南とする人またこれあるが。是併上人弘通の正義を |
J17_0132A16: | しらざるゆへ也。善惠上人は本師上人の勸化をつ |
J17_0132A17: | ぎ。化導年ふりて。行年七十にして。寶治元年十一 |
J17_0132B18: | 月廿六日午剋。種種の奇瑞をあらはして。端坐合掌 |
J17_0132B19: | 念佛二百餘遍を唱て。往生をせられき。當世西山門 |
J17_0132B20: | と號し。小坂義と稱するは。彼善惠上人流也。 |
J17_0132B21: | 月輪殿御不審事 |
J17_0132B22: | 或時月輪殿より。條條の御不審を御書にのせて。上 |
J17_0132B23: | 人にたづね仰られければ。委請文にのせて申されけ |
J17_0132B24: | り。所謂一の御疑云。一度信心を起て。更に疑心な |
J17_0132B25: | くば。一念十念をもて。決定往生の業として。其後 |
J17_0132B26: | 稱名稱念せずといふとも。順次の往生更に不審ある |
J17_0132B27: | べからざるか。又信心決定の後は。四重五逆等の罪 |
J17_0132B28: | を犯といふとも。往生の障と成べからざるかと。上 |
J17_0132B29: | 人の請文に云。たとひ決定往生の信心を起すといふ |
J17_0132B30: | も。其後。又稱名する事なく。ならびに小罪なりと |
J17_0132B31: | も。是を犯して後懺悔せずば、敢て往生を遂がたく |
J17_0132B32: | 候歟。何況。四重五逆等の重罪を犯候はんにおゐて |
J17_0132B33: | は。往生するに不及。還て惡趣をのがれがたく候。 |
J17_0132B34: | 近來諸宗の衆徒。都鄙の道俗喧嘩たえず候旨。この |