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J2410 九巻伝 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0129A01: らず。釋迦のすすめ給も。惡人善人智人愚人も。ひ
J17_0129A02: としく念佛すれば往生すとすすめ給へる也。念佛往
J17_0129A03: 生の願は。これ彌陀如來の本地の誓願也。餘の種種の
J17_0129A04: 行は。本地のちかひにあらず。これ釋迦如來の種種
J17_0129A05: の機縁にしたがひて。樣樣の行を説せ給ひたる事に
J17_0129A06: て候へば。釋迦も世に出給ふ心は。彌陀の本願を説
J17_0129A07: むと思召佛心にて候へども。衆生の機縁に隨給ふ日
J17_0129A08: は。餘の種種の行をも説給は。これ隨機の法也。佛
J17_0129A09: の自御心の底には候はず。されば念佛は彌陀にも利
J17_0129A10: 益の本願。釋迦にも出世の本懷也 餘の種種の行に
J17_0129A11: は似ず候也。されば無智の者なればといふべからず
J17_0129A12: と也云云。念佛は彌陀利生の本願。釋迦出世の本懷
J17_0129A13: 也と云事明也。末世愚鈍の衆生はふかく上人敎誡の
J17_0129A14: 旨を信じて。敢て別解別行の人を輕しむる事なかれ。
J17_0129A15: 只專修專念の行をはげむべき者也。
J17_0129A16: 選擇集の事
J17_0129A17: 建久八年丁巳上人六十五。不例の事御坐ありけるを。
J17_0129B18: 月輪禪定殿下。以外に驚思食されけるを。聊平愈し
J17_0129B19: 給ひければ。淸兵衞尉重經を御使として。御形見に
J17_0129B20: 淨土の要文をあつめて給べきよし被仰送けるに付
J17_0129B21: て。選擇集をかかれける時。安樂を執筆として。要
J17_0129B22: 文をあつめられしに。我若翰墨にたえたる身になか
J17_0129B23: らましかば。豈此佛法棟梁の役を勤哉と申ける間。
J17_0129B24: 此僧憍慢の心ふかくして。惡道に墮べしとて。これ
J17_0129B25: を退て。進士入道眞觀をもて。執筆とせられけり。
J17_0129B26: 建久九年に功を終て。上人存日の間は祕藏せらるべ
J17_0129B27: し。更に披露に不可及と。禪定殿下仰られけるに
J17_0129B28: よりて。門弟に件集を授けられし時は。或は此書を
J17_0129B29: うつして末代に廣むべしといひ。或は源空存生の間
J17_0129B30: は。披露に及べからずとて。只滅後の流行を心ざし
J17_0129B31: て。ふかく存日の披露を痛申されけるは。偏に月輪
J17_0129B32: 殿の仰を憚申されけるゆへ也。
J17_0129B33: 善惠上人の事
J17_0129B34: 西山善惠上人は。天曆聖主の御後。入道加賀の權守

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