浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
J17_0129A01: | らず。釋迦のすすめ給も。惡人善人智人愚人も。ひ |
J17_0129A02: | としく念佛すれば往生すとすすめ給へる也。念佛往 |
J17_0129A03: | 生の願は。これ彌陀如來の本地の誓願也。餘の種種の |
J17_0129A04: | 行は。本地のちかひにあらず。これ釋迦如來の種種 |
J17_0129A05: | の機縁にしたがひて。樣樣の行を説せ給ひたる事に |
J17_0129A06: | て候へば。釋迦も世に出給ふ心は。彌陀の本願を説 |
J17_0129A07: | むと思召佛心にて候へども。衆生の機縁に隨給ふ日 |
J17_0129A08: | は。餘の種種の行をも説給は。これ隨機の法也。佛 |
J17_0129A09: | の自御心の底には候はず。されば念佛は彌陀にも利 |
J17_0129A10: | 益の本願。釋迦にも出世の本懷也 餘の種種の行に |
J17_0129A11: | は似ず候也。されば無智の者なればといふべからず |
J17_0129A12: | と也云云。念佛は彌陀利生の本願。釋迦出世の本懷 |
J17_0129A13: | 也と云事明也。末世愚鈍の衆生はふかく上人敎誡の |
J17_0129A14: | 旨を信じて。敢て別解別行の人を輕しむる事なかれ。 |
J17_0129A15: | 只專修專念の行をはげむべき者也。 |
J17_0129A16: | 選擇集の事 |
J17_0129A17: | 建久八年丁巳上人六十五。不例の事御坐ありけるを。 |
J17_0129B18: | 月輪禪定殿下。以外に驚思食されけるを。聊平愈し |
J17_0129B19: | 給ひければ。淸兵衞尉重經を御使として。御形見に |
J17_0129B20: | 淨土の要文をあつめて給べきよし被仰送けるに付 |
J17_0129B21: | て。選擇集をかかれける時。安樂を執筆として。要 |
J17_0129B22: | 文をあつめられしに。我若翰墨にたえたる身になか |
J17_0129B23: | らましかば。豈此佛法棟梁の役を勤哉と申ける間。 |
J17_0129B24: | 此僧憍慢の心ふかくして。惡道に墮べしとて。これ |
J17_0129B25: | を退て。進士入道眞觀をもて。執筆とせられけり。 |
J17_0129B26: | 建久九年に功を終て。上人存日の間は祕藏せらるべ |
J17_0129B27: | し。更に披露に不可及と。禪定殿下仰られけるに |
J17_0129B28: | よりて。門弟に件集を授けられし時は。或は此書を |
J17_0129B29: | うつして末代に廣むべしといひ。或は源空存生の間 |
J17_0129B30: | は。披露に及べからずとて。只滅後の流行を心ざし |
J17_0129B31: | て。ふかく存日の披露を痛申されけるは。偏に月輪 |
J17_0129B32: | 殿の仰を憚申されけるゆへ也。 |
J17_0129B33: | 善惠上人の事 |
J17_0129B34: | 西山善惠上人は。天曆聖主の御後。入道加賀の權守 |