浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0128A01: | にて候也。念佛は。もとより行住坐臥。時所諸縁を |
J17_0128A02: | ゑらばず。身口の不淨をきらはぬ行にて候へば。易 |
J17_0128A03: | 行往生と申傳へて候也。只淨土を心にかくれば。心 |
J17_0128A04: | 淨の行にて候也。但其中にも。身心を淸くして申を。 |
J17_0128A05: | 第一の行と申候也。又娑婆世界の人の。餘の淨土を |
J17_0128A06: | 欣候はん事は。弓なくして天の鳥をとり。足なくし |
J17_0128A07: | て木ずへの花をおらんとせんが如し。必ず專修念佛 |
J17_0128A08: | は。現當の祈となり候也。これも經文にて候也云云。」 |
J17_0128A09: | 又後年に。津戸三郞がもとへつかはされたる上人の |
J17_0128A10: | 御返事に。專修念佛の人は。世にあり難き事にて候。 |
J17_0128A11: | 其一國に三十餘人まで候はんこそ。まめやかにあは |
J17_0128A12: | れに候へ。京邊なんどの常にききならひ傍をも見な |
J17_0128A13: | らひ候ぬべき所にて候だに。今にも思ひ切て。專修 |
J17_0128A14: | 念佛する人は。難有事にてこそ候に。道綽禪師の並 |
J17_0128A15: | 州と申所こそ一向念佛の地にて候に。專修念佛三十 |
J17_0128A16: | 餘人は世に難有覺候。偏に御力。又熊谷入道などの |
J17_0128A17: | 計にこそ候なれ。それも時の至りて往生すべき人の |
J17_0128B18: | 多く候べきゆへにこそ候なれ。縁なき事はわざと人 |
J17_0128B19: | のすすめ候にだにも。かなはぬ事にて候へば。まして |
J17_0128B20: | 子細もしらせ給はぬ人などの。仰られんによるべき |
J17_0128B21: | 事にても候はぬに。本より機縁純熟して。時いたり |
J17_0128B22: | たる事にて候へばこそ。さほど專修の人などは候ら |
J17_0128B23: | めと。おしはかり哀に覺候。但無智の人にこそ機縁 |
J17_0128B24: | にしたがひて。念佛をばすすむる事にてあれども。 |
J17_0128B25: | 申候なる事はもろもろのひが事にて候。阿彌陀佛の |
J17_0128B26: | むかしの御誓ひに。有智無智をもゑらばず。持戒破 |
J17_0128B27: | 戒をも嫌はず。佛前佛後の衆生をもえらばず。在家 |
J17_0128B28: | 出家の人をも嫌はず。念佛往生の誓願は。平等の慈 |
J17_0128B29: | 悲に住して。發給たる事にて候へば。人を嫌ふ事は |
J17_0128B30: | 全く候はぬ也。佛の御心は慈悲をもて。體とする事 |
J17_0128B31: | にて候也。されば觀無量壽經には。佛心といふは。 |
J17_0128B32: | 大慈悲是也と説て候也。善導和尚。此文をうけては。 |
J17_0128B33: | 此平等の慈悲をもて。あまねく一切を攝すと釋給 |
J17_0128B34: | へる也。一切のあわれみ廣くして。もるる人候へか |