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J2410 九巻伝 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0127A01: 返神妙に候。佛像造りまいらせたるは。目出度功德
J17_0127A02: にて候也。
J17_0127A03: 一。念佛の行。強に信ぜざらん人に論じあひ。又あら
J17_0127A04: ぬ行。こと悟の人に向て。いたくしゐて仰らるる事候
J17_0127A05: まじ。恭敬して。かるしめあなづる事なかれと申たる
J17_0127A06: 事にて候也。同心に極樂をねがひ。念佛を申さん人に
J17_0127A07: は。たとひ塵刹の外の人なりとも。同行の思をなし
J17_0127A08: て。一佛淨土に生れんとおもふべきにて候也。阿彌陀
J17_0127A09: 佛に縁なく。極樂淨土に契りすくなく候はん人の。信
J17_0127A10: もおこらず願しくもなく候はんには。不及力。只心
J17_0127A11: に任せて。いかなるおこなひをもして。後生助りて。
J17_0127A12: 三惡道を離る事を。人の心にしたがひて。すすめ候べ
J17_0127A13: き也。又さは候へどもちりばかりも。かなひぬべから
J17_0127A14: ん人には。阿彌陀を勸め極樂をねがはすべきにて候。
J17_0127A15: いかに申とも。此世の人の。念佛にあらでは。極樂に
J17_0127A16: 生て生死を離る事候まじき也。此外の事を人の心に
J17_0127A17: 隨ひてはからふべく候也。何樣にも物をあらそふ事
J17_0127B18: は。ゆめゆめ候まじ。若はそしり。もしは信ぜざらん
J17_0127B19: ものをば。久しく地獄にありて。又地獄へ歸るべきも
J17_0127B20: のと。能能心得て。こはがらずして。こしらふべきに
J17_0127B21: て候。又よもとは思まいらせ候へども。いかなる人申
J17_0127B22: とも。念佛の御心なんど。たぢろぎ思召事あるまじ。
J17_0127B23: たとひ千佛世に出て。親あたりおしへさせ給ふとも。
J17_0127B24: それは釋迦。彌陀より初て。恆河沙の佛の證誠をさせ
J17_0127B25: 給ふことなればと思召て。志を金剛よりも固くして。
J17_0127B26: 此たび必ず阿彌陀佛の御前へまいりなんと思召べく
J17_0127B27: 候也。如此の事かたはしを申さんに。御心得ありて。
J17_0127B28: 我爲人のために行べし。穴賢。津戸三郞殿御返事云
J17_0127B29: 云。」鎌倉の二位家より。條條尋申されけるに付て。上
J17_0127B30: 人御返事の趣。此狀に違せざる間。しげきによりてこ
J17_0127B31: れをのせず。但彼狀の中云。念佛を申事。樣樣の儀
J17_0127B32: 候へども。只六字を唱る計に。一切はおさまり候也。
J17_0127B33: 心には本願を馮み。口には名號を唱へ。手には數を
J17_0127B34: とりて。常には心にかくるが。極たる決定往生の業

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