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J2410 九巻伝 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0126A01: く。往生に時いたらぬものは。きけども不信。おこ
J17_0126A02: なふを見ては腹をたて。いかりをふくんて。さまた
J17_0126A03: げんとする事にて候也。其心を得て。いかに人申と
J17_0126A04: も。御心計はゆるがせ給べからず。強に信ぜざらん
J17_0126A05: は。佛なを及力給ふまじ。何況や。凡夫の力及候
J17_0126A06: まじき事也。かかる不信の衆生の爲に。慈悲をおこ
J17_0126A07: し。利益せんと思はんに付ても。とく極樂にまいり
J17_0126A08: て。悟をひらきて。生死にかへりて。誹謗不信のも
J17_0126A09: のをもわたして。一切衆生あまねく利益を得むと思
J17_0126A10: ふべき事にて候。
J17_0126A11: 一。一家の人人の善願に結縁助成せん事。念佛の行
J17_0126A12: を妨る事をこそ。專修の行には制したる事にて候
J17_0126A13: へ。人人の或は堂を造。佛をも造。經をも書。僧を
J17_0126A14: も供養せむには。力をくわへ。縁をもむすばんが。
J17_0126A15: 念佛を妨。專修をさふるほどの事にては候まじ。
J17_0126A16: 一。此世の祈に佛にも神にも申さん事は。其もくる
J17_0126A17: しく候まじ。後世の往生の爲には。念佛の外に。あら
J17_0126B18: ぬ行をするこそ。念佛を妨ればあしき事にては候
J17_0126B19: へ。此世の爲にする事は。往生の爲には候はねば。
J17_0126B20: 神佛の祈更に苦かるまじく候。
J17_0126B21: 一。念佛を申させ給はんには。こころを常にかけ
J17_0126B22: て。口にわすれず唱が。目出度事にて候也。念佛の
J17_0126B23: 行は。尤行住坐臥。時處諸縁を嫌はぬ行にて候へば。
J17_0126B24: 心を淸くして。申させ給はん事。返返神妙にて候。
J17_0126B25: 隙なくさやうに申させ給はんこそ。返返目出度候へ
J17_0126B26: ば。いかならん所。いかなる時なりとも。忘れずし
J17_0126B27: て申させ給ひて。往生の業には必なり候はんずる也。
J17_0126B28: 其のよしを御心得有て。同じ心ならん人には。敎さ
J17_0126B29: せ給べし。いかなる時にも。申されざらんをこそ。
J17_0126B30: ねうじて申ばやと思候べきに。申されんをねうじて
J17_0126B31: 申させ給はぬ事は。いかでか候べき。但いかなる折
J17_0126B32: にも。きらはず申させ給ふべし。
J17_0126B33: 一。御佛。仰にしたがひ。具に開眼して。下しまい
J17_0126B34: らせ候。阿彌陀の三尊造りてまいらせて候ける。返

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