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J2410 九巻伝 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0125A01: 衆生の爲に。廣く有智無智。有罪無罪。善人惡人。
J17_0125A02: 持戒破戒。貴も賤も。男子も女人も もしは佛の代
J17_0125A03: の衆生をも。若は佛の滅し給ひて後のこの比の衆
J17_0125A04: 生。若は釋迦の末法萬年の後。三寶うせての折の衆
J17_0125A05: 生までも。みなこもる也。又善導和尚。彌陀の化身
J17_0125A06: として。專修念佛をすすめ給へるも。ひろく一切衆
J17_0125A07: 生の爲に。すすめて無智の人にのみ限る事は候は
J17_0125A08: ず。廣き彌陀の願を望み。あまねき善導のすすめを
J17_0125A09: ひろめんもの。いかでか無智の人に限て。有智の人
J17_0125A10: をへだてんや。若然ば彌陀の本願にもそむき。善導
J17_0125A11: の御心にも不可叶。されば此邊にまうできて。往
J17_0125A12: 生の道をとひたづねん人には。有智無智を論ぜず。
J17_0125A13: 皆念佛の行ばかりを申候也。然にそぞろ事をかまへ
J17_0125A14: て。さやうに念佛を申とめんとするものは。先の世
J17_0125A15: に念佛三昧淨土の法門を不聞。後世に又三惡道へ
J17_0125A16: 歸るべきものの。しかるべくして。さやうの事をば
J17_0125A17: 巧申事にて候也。そのよし聖敎にみな見えて候也。
J17_0125B18: 見有修行起瞋毒。方便破壞競生怨。
J17_0125B19: 如此生盲闡提輩。毀滅頓敎永沈淪。
J17_0125B20: 超過大地微塵劫。未可得離三途身。
J17_0125B21: 此文の心は淨土をねがひ念佛を行ずるものを見て。
J17_0125B22: 瞋をおこし。毒心を含で。謀事をめぐらし。樣樣の
J17_0125B23: 方便をなして。念佛の行をやぶりて。あらそひてあ
J17_0125B24: だをなし。これをとどめんとする也。如此人は。生
J17_0125B25: てよりこのかた。佛法の眼しひて。佛のたねをうし
J17_0125B26: なへる闡提のともがらなり。彌陀の名號を唱て永き
J17_0125B27: 生死を忽にきりて。常住の極樂に往生すといふ。頓
J17_0125B28: 敎の御法を。そしりほろぼして。此罪によりて惡道
J17_0125B29: に沈みて。大地微塵劫を過とも。永く三惡道の身を
J17_0125B30: 離るることを得べからずといへるなり。さればさや
J17_0125B31: うにそらごとをたくみて申候はん人をば。歸てあは
J17_0125B32: れむべきなり。さほどのものの申さんによりて。念
J17_0125B33: 佛に疑をなし。不信をおこさんものは。いふにたら
J17_0125B34: ぬほどの事にてこそは候はめ。大かた彌陀に縁淺

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