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J2410 九巻伝 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0123A01: 離の要法。口稱念佛にしくはなし。念佛をそしらん
J17_0123A02: 輩は。地獄に墮すべきよしを解説し給ひければ。二
J17_0123A03: 百餘人の大衆より初めて。隨喜渴仰きはまりなし。
J17_0123A04: さて其の次に天台十戒を解説し給ふ。我山は大乘
J17_0123A05: 戒。此寺は小乘戒との給ひければ。大衆存の外の氣
J17_0123A06: 色どもなりけれども。當寺の古老の中に。兼日に靈
J17_0123A07: 夢をしめす事ありけり。件の次第。さき立て披露し
J17_0123A08: ければ。衆徒各口を閉て。別の事なかりけり。説法
J17_0123A09: はてて油藏へ入給ひけるに。惡僧一人。上人に立む
J17_0123A10: かひて。抑念佛誹謗の者。地獄に墮べしとは。いづ
J17_0123A11: れの經にとかれ侍るやらんと申ける間。上人。大佛
J17_0123A12: 頂經これなりと分明に答給ければ。彼僧手を合て。
J17_0123A13: 後生助けさせ給へとて。則御ともして油藏へ入奉
J17_0123A14: る。
J17_0123A15: 聖護院宮事
J17_0123A16: 聖護院無品親王靜惠御惱の時。門徒の高僧等。大般
J17_0123A17: 若經を轉讀し奉りて。各祈請申共。御平愈ましまさ
J17_0123B18: ざりければ。上人を招請せられ。御臨終の次第ど
J17_0123B19: も。たづね仰られて。いかがして此たび生死を離べ
J17_0123B20: き。後生助たまへと仰られければ。上人御返事に。
J17_0123B21: 往生極樂の御願。御念佛にしかず。佛説ての給は
J17_0123B22: く。光明遍照十方世界念佛衆生攝取不捨と。其後御
J17_0123B23: 念佛おこたらずして。御臨終正念にして。をわらせ
J17_0123B24: 給ひけり。
J17_0123B25: 大般若經轉讀の人人は僧正行舜宰相。僧正公胤大貳。僧
J17_0123B26: 正覺實左大臣。法印顯惠中納言。法眼圓豪大納言。法印公雅宰相
J17_0123B27: 法印道嚴。法印信觀。この三人の法印は障子の中に
J17_0123B28: て。其形貌をみず。後に交名を見て。これをしるし
J17_0123B29: なす所也。

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