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J2410 九巻伝 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0121A01: 衆。數を知らず。座主。則一の願を發して云。此砌
J17_0121A02: に五の坊を立て。一向專修の行を修して。稱名の外
J17_0121A03: 餘行をまじへじと。其行は今に退轉なし。重源上人。
J17_0121A04: 同く淨土の法を信じ。念佛の行を立て。又一の願を
J17_0121A05: 發して云。我國の道俗。閻魔の廳に跪かん時。其名
J17_0121A06: を問れば。佛號を我唱へんが爲に。阿彌陀佛名をつ
J17_0121A07: けん迚。まづ我名を南無阿彌陀佛といはんといへり。
J17_0121A08: 我朝の阿彌陀佛の名。是より始れり。夫より已來。
J17_0121A09: 洛中の貴賤。邊土の道俗。處處の道塲に。念佛を勸
J17_0121A10: ざる所なし。座主は上人勸化の後は稱名の行をこた
J17_0121A11: らずして。治山三箇年を經て。建久三年十一月十四
J17_0121A12: 日寅刻。東塔南谷圓融房にして。稱名の聲たえず。
J17_0121A13: 禪定に入が如して往生を遂らる。これ併上人の化導
J17_0121A14: によるもの也。末代の高僧。本山の賢哲也。諸宗の
J17_0121A15: 碩德こぞりて上人に歸して順禮し。諸の道俗いよい
J17_0121A16: よ念佛をもて口遊とす。座主此門に尋入て後。妹の
J17_0121A17: 禪尼をすすめられんが爲に。念佛勸進の消息をかか
J17_0121B18: る。世間に流布する顯眞の消息といへる是なり。
J17_0121B19: 六時禮讚事
J17_0121B20: 建久三年の秋のころ。後白河法皇の御菩提の御爲
J17_0121B21: に。大和の守親盛入道見佛。八坂の引導寺にして。
J17_0121B22: 禮讚の先達に。心阿彌陀佛。調聲して。安樂。住蓮。
J17_0121B23: 見佛等。助音して。七日念佛す。其結願に種種の捧
J17_0121B24: 物を取出し侍りければ。上人存の外なる氣色にて。
J17_0121B25: の給ひけるは。念佛は自行の勤也。法皇の御菩提に
J17_0121B26: 囘向し奉る所に布施みぐるしき次第也と。いましめ
J17_0121B27: 給けり。これ六時禮讚のはじめ也。
J17_0121B28: 善導御影事
J17_0121B29: 上人。五祖類聚傳といふ書を造て。震旦國の念佛の
J17_0121B30: 祖師。曇鸞。道綽。善導。懷感。少康等の五祖の德
J17_0121B31: を顯し給へり。しかるを其後俊乘房重源。初めて大
J17_0121B32: 唐より渡す所の五祖の眞影。一鋪に類聚せり。上人
J17_0121B33: 所造の類聚傳に符合せる事。先に織給へる當麻寺の
J17_0121B34: 曼陀羅の縁の文。のちにわたれる觀經の疏の文に違

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