浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0120A01: | 淨土の法門を見立たり。來臨し給へ。靜に談じ申さ |
J17_0120A02: | んと。爰に上人。東大寺の大勸進俊乘房重源は。い |
J17_0120A03: | まだ出離の道を思定ざるがゆへに。此よしを示す。 |
J17_0120A04: | 則弟子三十餘人を相具して。大原にむかう。勝林院 |
J17_0120A05: | の丈六堂に集會す。上人方には、重源已下。次第に |
J17_0120A06: | より。座主の方には山門の碩德。并大原の上人達坐 |
J17_0120A07: | す。山門久住の碩學には。永辨法印。智海法印。靜 |
J17_0120A08: | 嚴法印。淨然法印。證眞僧都。覺什僧都。仙基律師 |
J17_0120A09: | 等也。大原の上人には本性房湛斅。來迎院の明定房 |
J17_0120A10: | 蓮慶。勝林院の淸淨房等也。此外山門の衆徒。雲霞 |
J17_0120A11: | のごとく集て見聞す。各蓄杖を支度して。上人の所 |
J17_0120A12: | 立若邪義ならば。即降伏すべきよし也。面面に諸宗 |
J17_0120A13: | に立入て深義を論談し侍けるに。上人。天台眞言華 |
J17_0120A14: | 嚴法相三論等の顯密に付て。凡夫の初心より佛果の |
J17_0120A15: | 極位に至るまで。修行の方軌。機法の相貌。具に述 |
J17_0120A16: | 説後。是等の深法。みな義理巧妙にして利益最勝也。 |
J17_0120A17: | 機法相應せば。得益踵をめぐらすべからず。取證如 |
J17_0120B18: | 反掌の金言まこと也。全く疑所なし。但源空がごと |
J17_0120B19: | き頑魯の類ひは。更に其器にあらず。然間源空發心の |
J17_0120B20: | 後。聖道門の諸宗に付て。ひろく出離の道をとぶら |
J17_0120B21: | ふに。彼も難く是も難し。是則時下り人愚にして。 |
J17_0120B22: | 機敎相背けるゆへ也。此外有智無智を論ぜず。持戒 |
J17_0120B23: | 破戒を選ばず。時機相應して。順次に生死を離べき |
J17_0120B24: | 要法は。ただこれ淨土の一門。念佛の一行也とて。一 |
J17_0120B25: | 日一夜の間。法藏比丘の昔より彌陀如來の今に至る |
J17_0120B26: | まで。本願の趣。往生の道に暗からず。理を極め詞 |
J17_0120B27: | をつくして。但これ涯分の自證をのぶる也。全く其 |
J17_0120B28: | 法器の受用をさまたげんとにはあらずとの給ひけれ |
J17_0120B29: | ば。座主より初て。滿座の衆みな信伏して。一人と |
J17_0120B30: | して疑なし。碩德達褒美して云。形を見れば源空上 |
J17_0120B31: | 人。まことには彌陀如來の應垂歟と。隨喜のあまり |
J17_0120B32: | に。座主みづから香爐を取て行道し。高聲念佛を唱 |
J17_0120B33: | へ給に。顯密の明匠まことをこらして。異口同音に。 |
J17_0120B34: | 三日三夜ひまもなし。信男信女三百餘人。參禮の聽 |