浄土宗全書を検索する
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| 巻_頁段行 | 本文 | 
|---|---|
| J17_0112A01: | ほくは叡山の月より出て。樂邦の風をのぞみ給へ | 
| J17_0112A02: | る。此化導を聞及ばん人。誰か稱名の行に倦で。願 | 
| J17_0112A03: | 往生の志をゆるくせんや。 | 
| J17_0112A04: | 高倉天皇御受戒事 | 
| J17_0112A05: | 同年の春。高倉の天皇。上人を大内に召されて。一 | 
| J17_0112A06: | 心の妙戒を受させたまふ。階下の卿相。簾中の貴女。 | 
| J17_0112A07: | ともに。戒德を貴み。同く戒香に薰ぜずといふ事な | 
| J17_0112A08: | し。 | 
| J17_0112A09: | 後白河法皇説戒往生要集御聽聞事 | 
| J17_0112A10: | 後白河の法皇。上人を召請せられ。法住寺殿にて説 | 
| J17_0112A11: | 戒ならびに往生要集を談ぜしめたまふに。往生極樂 | 
| J17_0112A12: | の敎行は。濁世末代の目足なり。道俗貴賤たれか歸 | 
| J17_0112A13: | せざらんものと侍るより。御心肝に銘じて。今始て | 
| J17_0112A14: | きこしめさるる樣に。御感涙甚し。仍左京の權太夫 | 
| J17_0112A15: | 隆信の朝臣に仰て。眞影を圖せしめ。末代の爲に蓮 | 
| J17_0112A16: | 花王院の寳藏にぞ納られける。仁和寺の法親王よ | 
| J17_0112A17: | り。御師範のよしにてめさるるといへども。隱遁の | 
| J17_0112B18: | 身にをそれて。かたく辭し申されけり。しかれども。 | 
| J17_0112B19: | 八條院。殷福門院。宣陽門院。七條院。准后宮より | 
| J17_0112B20: | はじめ奉て。大臣諸卿。戒文の受者。念佛の歸依。 | 
| J17_0112B21: | 天下に滿みてり。 | 
| J17_0112B22: | 於上西門院説戒時虵生天事 | 
| J17_0112B23: | 上西門院にして。上人。七日説戒し給ひけるに。か | 
| J17_0112B24: | ら垣のうへに。一の虵わだかまれり。更にはたらか | 
| J17_0112B25: | ずして。聽聞の氣色あり。結願の日にあたりて。此 | 
| J17_0112B26: | 虵忽に死けり。其頭二つに破にけり。中より蝶のご | 
| J17_0112B27: | とくなるもの。とび出ると見る人もあり。或は天人 | 
| J17_0112B28: | のごとくにして。昇り上ると見る人も有けり。昔。 | 
| J17_0112B29: | 遠行する聖ありけり。日くれにたれば。野中に塚穴 | 
| J17_0112B30: | のありけるに。とどまりて。終夜阿毗曇を論じける | 
| J17_0112B31: | に。樹の上に五百の蝙蝠あり。此聽聞の功德に依て。 | 
| J17_0112B32: | 五百の應眞となりき。いま此一すぢの虵。七日受戒 | 
| J17_0112B33: | の功力にこたへて。雲を分て上ぬるやと。人人隨喜 | 
| J17_0112B34: | す。かれは上代なるうへ。大國也。これは末代にし |