ウィンドウを閉じる

J2410 九巻伝 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0110A01: の貴賤。受戒の師範として。尊重他に異也。母の剃
J17_0110A02: 刀をのむ夢。すでに符合せり。又紫雲の日本國に覆
J17_0110A03: 夢たがふことなし。上人の化導に隨て。稱名念佛を
J17_0110A04: 信ずるもの。一州にみちふさがれり。實夢かくのご
J17_0110A05: とし。信じて疑事なかれ。思ふべし上人の勸を信じ
J17_0110A06: て背ざらんものは。定めてかの紫雲に乘じて。順次
J17_0110A07: に極樂淨土に往生せんことを。彌陀如來。稱名を本
J17_0110A08: 願とたて給へる上には。往生の業におきては。稱名
J17_0110A09: にすぐるる行あるべからずと。上人たて給ふ時。師
J17_0110A10: 範叡空上人。觀佛はすぐれ稱名はおとれる也との給
J17_0110A11: ふを。上人。なほ念佛勝たる義をたて給ふに。叡空
J17_0110A12: 上人立腹して。こぶしをにぎりて。上人のせなかを
J17_0110A13: うちて。先師良忍上人も。觀佛はすぐれたりとこそ
J17_0110A14: 仰られしがとの給ふを。上人の返事に良忍上人もさ
J17_0110A15: きにこそ生れ給ひたれと。上人申されける時。叡空
J17_0110A16: 上人彌腹を立。沓ぬぎにおりて。あしだを取りて。
J17_0110A17: 又うち給へば。聖敎をよくよく御覽候はでとぞ。申
J17_0110B18: されける。哀なりし事也。
J17_0110B19: 叡空上人臨終之事
J17_0110B20: 叡空上人臨終の時。讓狀をば書て。上人に聖敎往來
J17_0110B21: 等を讓りて。をはり給ひけるが。良久しくありて。
J17_0110B22: よみがへりて。讓狀をこひかへして。進上の言をく
J17_0110B23: わへて。書なをして。ゆづられけり。定めて冥途の
J17_0110B24: 沙汰の侍りけるかとぞ。申あひけり。

ウィンドウを閉じる