ウィンドウを閉じる

J2410 九巻伝 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0108A01: 眞言修行時觀成就事
J17_0108A02: 眞言の敎門に入て。道場觀をこらし給に。忽に五相
J17_0108A03: 成身の觀行を成就し給ふ事。言語のおよぶ所にあら
J17_0108A04: ず。
J17_0108A05: 暗夜得光明事
J17_0108A06: 暗夜に經論を見給ふに。燈なけれども。光明室の内
J17_0108A07: を照して。ひるのごとし、法弟信空上人。同じくそ
J17_0108A08: の光を見る。
J17_0108A09: 花嚴經披覽の時靑龍出現事
J17_0108A10: 花嚴經披覽の時。靑龍机のうへにわだかまれり。法
J17_0108A11: 弟信空上人。とりて捨べきよし。仰られけるに。信
J17_0108A12: 空上人は。もとより虵におぢける間。師の命にした
J17_0108A13: がはんとすれば。絶難く恐し。もださんとすれば。
J17_0108A14: 其命背がたし。進退きはまりけれども。をづをづちり
J17_0108A15: とりにのせて。あかり障子の外に捨歸りて見るに。
J17_0108A16: 又もとのごとくありければ。いかにとりてはすてぬ
J17_0108A17: かと。上人被仰けるを。取てすてて候へば。又もと
J17_0108B18: の定に候よしをぞ申されける。尚とりてすてよとや。
J17_0108B19: 仰られずらんと。肝を消す所に。其後は仰らるる旨
J17_0108B20: なし。信空上人。其夜の夢に大龍すがたを現じて。
J17_0108B21: 我はこれ花嚴經を守護する龍神也。おそるる事なか
J17_0108B22: れと也。
J17_0108B23: 藏俊僧都寬雅法印對面事
J17_0108B24: 久壽三年四月二十七日改元保元元年也生年廿四の春。求法のために修
J17_0108B25: 行し給ふとて。先嵯峨の釋迦堂に。七日參籠して後。
J17_0108B26: 南都へ下て。藏俊僧都に逢て。法相宗の法門の自解
J17_0108B27: の義を述るに。藏俊是を聞て手を打て云。我等が師
J17_0108B28: 資相承せる。いまだ此義を存せず。上人はただ人にあ
J17_0108B29: らず。佛陀の境界也とて。かへりて師範と稱して。
J17_0108B30: 一期の間供養をのぶ。中川少將の上人に逢ひて。鑑眞
J17_0108B31: 和尚の戒をうく。大納言法印寬雅に逢て。三論を決
J17_0108B32: し給ふに。寬雅涙を流して寳藏をさづけ。あまさへ
J17_0108B33: 二字して。かの宗の血脈に我名の上に上人の名をか
J17_0108B34: き給ふ。慶雅法橋に。花嚴を談じ給事。又又かくの

ウィンドウを閉じる