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J2380 四巻伝 耽空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0080A01: つり、別しては將軍家に誰ても申て後、是非に隨て、
J17_0080A02: 左右すべきところに、みだれがはしき事がら、すみ
J17_0080A03: やかにとどむべし。これ關東御下知の趣きなり。若
J17_0080A04: この制法にかかはられぬならば、方にまかすべし。
J17_0080A05: 更にうらむるところなかれと云に、猶とどまらざり
J17_0080A06: ければ、
J17_0080A07: 廟堂破却の圖
J17_0080A08: 兼て其由は申侍ぬ。醫王山王もきこしめせ、念佛守
J17_0080A09: 護の鎭守赤山大明神にかはり奉りて、魔縁打はらい
J17_0080A10: 侍らん。僞て四明三千の御使と號して、媚て四魔三
J17_0080A11: 障のむらがり來か。髻は主君のために、そのかみは
J17_0080A12: やしてき。今は師範のために、忽に思きる。縱萬騎
J17_0080A13: の兵物むかふとも、爭か一人當千の手にかかるべき。
J17_0080A14: 思きや、戰場の莚をもて、往生淨土の門とせんは。
J17_0080A15: はからず、凶惡のともがらをも。善知識の因縁なる
J17_0080A16: べしと云事は。各南無阿彌陀佛と稱すべし。只今汝
J17_0080A17: 等が命は、一一にほろぼしてん。諸共に九品蓮臺の
J17_0080B18: 同行。善惡不二のをしへ、邪正一如のをきては、山
J17_0080B19: 門のつかいならば、ききしりぬらん。顯には關東の
J17_0080B20: 御家人、弓箭につかへて、狼藉をふせぐべき身也。
J17_0080B21: 冥には西土の念佛者、魔軍いかでかはらはざらん。
J17_0080B22: 抑死人には、たとひ宣命をふくむとも、遺骨に誰か
J17_0080B23: 威勢をほどこせるや。そのかたはらに乞匃非人めら
J17_0080B24: みえきたるなんの故ぞや。奇怪也、不敵也。但馬の
J17_0080B25: はな、矢さきには、いぶせく、けがらはしければ、
J17_0080B26: かくべからず。ながく日本國の大地をおいはらふ
J17_0080B27: て、他方世界へすつべしと云かけて、子息一人相具
J17_0080B28: してかけいるに、面をむかふるものなし。くものこ
J17_0080B29: をちらして、けらのたけりとぞなりにける。
J17_0080B30: 山徒擊退の圖
J17_0080B31: 件夜、改葬。宇都宮の入道守護のために、遁世の身
J17_0080B32: 也と云ども、いでにし家の古人をまねきて、俄の事
J17_0080B33: なれば、五六百騎の兵士をもよほして、宿直すとて、
J17_0080B34: 哀哉、昔は死生不知の譽をほどこさんと思しかども、

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