浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0080A01: | つり、別しては將軍家に誰ても申て後、是非に隨て、 |
J17_0080A02: | 左右すべきところに、みだれがはしき事がら、すみ |
J17_0080A03: | やかにとどむべし。これ關東御下知の趣きなり。若 |
J17_0080A04: | この制法にかかはられぬならば、方にまかすべし。 |
J17_0080A05: | 更にうらむるところなかれと云に、猶とどまらざり |
J17_0080A06: | ければ、 |
J17_0080A07: | 廟堂破却の圖 |
J17_0080A08: | 兼て其由は申侍ぬ。醫王山王もきこしめせ、念佛守 |
J17_0080A09: | 護の鎭守赤山大明神にかはり奉りて、魔縁打はらい |
J17_0080A10: | 侍らん。僞て四明三千の御使と號して、媚て四魔三 |
J17_0080A11: | 障のむらがり來か。髻は主君のために、そのかみは |
J17_0080A12: | やしてき。今は師範のために、忽に思きる。縱萬騎 |
J17_0080A13: | の兵物むかふとも、爭か一人當千の手にかかるべき。 |
J17_0080A14: | 思きや、戰場の莚をもて、往生淨土の門とせんは。 |
J17_0080A15: | はからず、凶惡のともがらをも。善知識の因縁なる |
J17_0080A16: | べしと云事は。各南無阿彌陀佛と稱すべし。只今汝 |
J17_0080A17: | 等が命は、一一にほろぼしてん。諸共に九品蓮臺の |
J17_0080B18: | 同行。善惡不二のをしへ、邪正一如のをきては、山 |
J17_0080B19: | 門のつかいならば、ききしりぬらん。顯には關東の |
J17_0080B20: | 御家人、弓箭につかへて、狼藉をふせぐべき身也。 |
J17_0080B21: | 冥には西土の念佛者、魔軍いかでかはらはざらん。 |
J17_0080B22: | 抑死人には、たとひ宣命をふくむとも、遺骨に誰か |
J17_0080B23: | 威勢をほどこせるや。そのかたはらに乞匃非人めら |
J17_0080B24: | みえきたるなんの故ぞや。奇怪也、不敵也。但馬の |
J17_0080B25: | はな、矢さきには、いぶせく、けがらはしければ、 |
J17_0080B26: | かくべからず。ながく日本國の大地をおいはらふ |
J17_0080B27: | て、他方世界へすつべしと云かけて、子息一人相具 |
J17_0080B28: | してかけいるに、面をむかふるものなし。くものこ |
J17_0080B29: | をちらして、けらのたけりとぞなりにける。 |
J17_0080B30: | 山徒擊退の圖 |
J17_0080B31: | 件夜、改葬。宇都宮の入道守護のために、遁世の身 |
J17_0080B32: | 也と云ども、いでにし家の古人をまねきて、俄の事 |
J17_0080B33: | なれば、五六百騎の兵士をもよほして、宿直すとて、 |
J17_0080B34: | 哀哉、昔は死生不知の譽をほどこさんと思しかども、 |