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J2380 四巻伝 耽空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0075A01: 也。善導和尚、今の女人往生の願を釋給るに、彌陀
J17_0075A02: の大願力による故、佛の名號を稱れば、命終時、女
J17_0075A03: 人を轉じて、男子となる事を得て、彌陀、手をさづ
J17_0075A04: け、菩薩、身を助て、寶花の上坐し、佛奉隨て往生
J17_0075A05: し、無生を悟とも釋し、又一切の女人、若彌陀名號
J17_0075A06: 願力によらずば、千劫萬劫恆沙劫を經とも、女身轉
J17_0075A07: ずる事を不可得と釋給へり。此度彌陀の本願に相
J17_0075A08: て、最後臨終に、男子の身と作れまいらせて、彌陀
J17_0075A09: 如來の御迎に預り、觀音大士の金蓮に乘て奉、無數
J17_0075A10: の化佛、無量の聖衆に圍遶せられ、須臾の間、無漏
J17_0075A11: の報土往生して、無量の快樂に預らん事は、喜あら
J17_0075A12: ずや。ゆめゆめ念佛物うからず、やすき念佛申て可
J17_0075A13: 得樂を物也とて、本願の貴、馮しき次第を、かき
J17_0075A14: くどきの給ければ、其座に侍ける女房たち、皆皆涙
J17_0075A15: を流して、念佛門に入けり。是を傳聞女房、寧念佛
J17_0075A16: にいさみなからんや。
J17_0075A17: 女人法談聽聞の圖
J17_0075B18: 次年正月二日より、老病のうへに、日來不食彌增氣。
J17_0075B19: 凡此兩三年、耳も不聞、心も耄耄として、前後不
J17_0075B20: 覺にましましけるが、更如昔明明になりて、念佛つ
J17_0075B21: ねよりも增盛也。
J17_0075B22: 仁和寺に侍ける尼、上人往生の夢に驚て、參
J17_0075B23: じ侍ける。
J17_0075B24: 病床のむしろに、人人問たてまつりける。御
J17_0075B25: 往生實否如何。答云、我本、天竺國に在と
J17_0075B26: き、衆僧に交て、頭陀を行じき。今日本にし
J17_0075B27: て、天台宗に入て、かかる事にあへり。抑今
J17_0075B28: 度の往生は、一切衆生結縁のため也。我本居
J17_0075B29: せしところなれば、ただ人を引接せんと思。
J17_0075B30: 病床御物語の圖
J17_0075B31: 十一日、上人、高聲念佛を、人にすすむとて云、此
J17_0075B32: 佛を恭敬し、名號を唱人、一人も不空と云て、彌陀
J17_0075B33: 功德を種種に讃嘆し給。彌陀常影向し給、弟子等不
J17_0075B34: 拜之哉。云云そののち二十日頃より、念佛高聲にね
J17_0075B35: んごろなり。助音の人人は、おのづからこゑをほのか

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