浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0075A01: | 也。善導和尚、今の女人往生の願を釋給るに、彌陀 |
J17_0075A02: | の大願力による故、佛の名號を稱れば、命終時、女 |
J17_0075A03: | 人を轉じて、男子となる事を得て、彌陀、手をさづ |
J17_0075A04: | け、菩薩、身を助て、寶花の上坐し、佛奉隨て往生 |
J17_0075A05: | し、無生を悟とも釋し、又一切の女人、若彌陀名號 |
J17_0075A06: | 願力によらずば、千劫萬劫恆沙劫を經とも、女身轉 |
J17_0075A07: | ずる事を不可得と釋給へり。此度彌陀の本願に相 |
J17_0075A08: | て、最後臨終に、男子の身と作れまいらせて、彌陀 |
J17_0075A09: | 如來の御迎に預り、觀音大士の金蓮に乘て奉、無數 |
J17_0075A10: | の化佛、無量の聖衆に圍遶せられ、須臾の間、無漏 |
J17_0075A11: | の報土往生して、無量の快樂に預らん事は、喜あら |
J17_0075A12: | ずや。ゆめゆめ念佛物うからず、やすき念佛申て可 |
J17_0075A13: | 得樂を物也とて、本願の貴、馮しき次第を、かき |
J17_0075A14: | くどきの給ければ、其座に侍ける女房たち、皆皆涙 |
J17_0075A15: | を流して、念佛門に入けり。是を傳聞女房、寧念佛 |
J17_0075A16: | にいさみなからんや。 |
J17_0075A17: | 女人法談聽聞の圖 |
J17_0075B18: | 次年正月二日より、老病のうへに、日來不食彌增氣。 |
J17_0075B19: | 凡此兩三年、耳も不聞、心も耄耄として、前後不 |
J17_0075B20: | 覺にましましけるが、更如昔明明になりて、念佛つ |
J17_0075B21: | ねよりも增盛也。 |
J17_0075B22: | 仁和寺に侍ける尼、上人往生の夢に驚て、參 |
J17_0075B23: | じ侍ける。 |
J17_0075B24: | 病床のむしろに、人人問たてまつりける。御 |
J17_0075B25: | 往生實否如何。答云、我本、天竺國に在と |
J17_0075B26: | き、衆僧に交て、頭陀を行じき。今日本にし |
J17_0075B27: | て、天台宗に入て、かかる事にあへり。抑今 |
J17_0075B28: | 度の往生は、一切衆生結縁のため也。我本居 |
J17_0075B29: | せしところなれば、ただ人を引接せんと思。 |
J17_0075B30: | 病床御物語の圖 |
J17_0075B31: | 十一日、上人、高聲念佛を、人にすすむとて云、此 |
J17_0075B32: | 佛を恭敬し、名號を唱人、一人も不空と云て、彌陀 |
J17_0075B33: | 功德を種種に讃嘆し給。彌陀常影向し給、弟子等不 |
J17_0075B34: | 拜之哉。云云そののち二十日頃より、念佛高聲にね |
J17_0075B35: | んごろなり。助音の人人は、おのづからこゑをほのか |