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J2380 四巻伝 耽空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0076A01: にすといへども、上人の音聲は、ますます盡空法界
J17_0076A02: にもひびくらん。抑けふよりさき、七八年のそのか
J17_0076A03: み、ある雲客兼隆朝臣夢に、上人往生のゆふべ、光明遍
J17_0076A04: 照の四句の偈を唱べしと、つげをかふむりしのち、
J17_0076A05: いまこの文をとなへて、廿四日より、廿五日の午正
J17_0076A06: 中にいたるまで、念佛高聲にして、如夢文を誦し給
J17_0076A07: 事、時にかなへり。夫日光明をほどこす、觀音の照
J17_0076A08: 臨もとよりあらたなりといへども、紫雲虚にそびて、
J17_0076A09: 勢至の迎接おりをえたり。爰に音樂、窓にひびく。
J17_0076A10: 歸佛歸法の耳をそばたて、異香室にみてり。信男信
J17_0076A11: 女の袖をふるる間、慈覺大師附屬の法衣を著して、
J17_0076A12: 頭北面西にして、念佛數遍唱給の後、一息とどまる
J17_0076A13: といへど、兩眼瞬がごとし。手足ひへたりといへど
J17_0076A14: も、唇舌をうごかす事數遍之。行年四十三より、毎
J17_0076A15: 日七萬遍にて、無退轉。云云
J17_0076A16: 光明遍照十方世界、念佛衆生攝取不捨。南無
J17_0076A17: 阿彌陀佛、南無阿彌陀佛。
J17_0076B18: 兼日に往生の告をかふむる人びと、前權右辨
J17_0076B19: 藤原兼隆朝臣。權律師隆寬。白川准后宮。別
J17_0076B20: 當入道。尼念阿彌陀佛。坂東尼。一切經谷住
J17_0076B21: 僧大進公。陪從信賢。祇陀林經師。薄師眞淸。
J17_0076B22: 水尾山椎夫、紫雲見之。 已上圖中の詞書
J17_0076B23: 御往生の圖
J17_0076B24: 于時建曆二年壬申正月廿五日午剋遷化行年滿八十伏以、釋
J17_0076B25: 尊圓寂の月にすすめる事一月、荼毘の煙ことなり
J17_0076B26: と云ども、彌陀感應の日にしりぞくこと十日、利生
J17_0076B27: の風これ同耶。觀音垂迹の勝地、勢至方便の善巧如
J17_0076B28: 此。然後、門弟等、世の傍例にまかせて、遺骨をお
J17_0076B29: さめ、中隱ををくる。
J17_0076B30: 初七日。御導師、信蓮房。
J17_0076B31: 初七日法
J17_0076B32: 不動尊。
J17_0076B33: 大宮入道内大臣御家之御諷誦文云、
J17_0076B34: 夫觀、先師在生之昔、弟子遁朝之夕、凝一
J17_0076B35: 心之精誠、受十重之禁戒。故馮濟度於彼
J17_0076B36: 岸、敬修諷誦於此砌。莫嫌少善根、必爲

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