ウィンドウを閉じる

J2380 四巻伝 耽空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0071A01: 應早召還流人源元彥身事
J17_0071A02: 使 使部
J17_0071A03: 火長一人
J17_0071A04: 右件元彥、去建永二年二月廿七日、坐辜配流土佐
J17_0071A05: 國。而今依有所念行、所被召還也。者宣奉
J17_0071A06: 勅。件人宜令召還。者國宜承知、依宣行之。
J17_0071A07: 建永二年八月日、左大夫小槻宿禰國宗
J17_0071A08: 恩 免 の 圖
J17_0071A09: かくて、いまだ入洛にはおよばず。勝尾山、勝如上
J17_0071A10: 人往生の地。いみじくおぼして、しばらくおはしけ
J17_0071A11: れば、花夷男女道俗貴賤、まいりあつまり侍ける。
J17_0071A12: 勝尾山隱棲の圖
J17_0071A13: 恆例引聲念佛、聽聞のとき、衣裳ことやうに侍けれ
J17_0071A14: ば、弟子の信空上人に、件子細をしめして、裝束勸
J17_0071A15: 進のよし侍ければ、ほどなく、法服一襲十五具すす
J17_0071A16: めいたして、持て參給ける。感にたえず、住侶等、
J17_0071A17: 臨時に七日七夜の念佛、勤行し侍ける。住僧、各隨
J17_0071B18: 喜悅豫して、法印聖覺唱導として、開題讚嘆の後、
J17_0071B19: 夫八萬法藏は八萬の衆類をみちびき、一實眞如は一
J17_0071B20: 向專稱をあらはすところ。用明天皇の儲君、御誕生
J17_0071B21: に、南無佛と唱給。其名をあらはさずといへども、
J17_0071B22: 心は彌陀名號也。慈覺大師念佛傳燈は、經文を引て、
J17_0071B23: 寶池の波に和し、空也上人念佛は、音をばたてて、
J17_0071B24: 德をばしらず、惠心僧都の要集には、二の道をつく
J17_0071B25: りて、一心のものはまよひ、永觀律師の往生講式に
J17_0071B26: は、七門をひらきて、一扁にはつかず。良忍上人の
J17_0071B27: 融通、神祇冥道にはすすめ給ども、凡夫の望はうと
J17_0071B28: うとし。
J17_0071B29: 爰我大師法主上人、行年四十三より、念佛門に入て、
J17_0071B30: あまねく弘給に、天子のいつくしき玉冠を西にかた
J17_0071B31: ぶけ、月卿のかしこき、金釵を東にただしくす。皇
J17_0071B32: 后のこびたる、韋提希のあとををい、傾城のことん
J17_0071B33: なき、五百の侍女をまなぶ間、とめるは、おごりて
J17_0071B34: もてあそび、まづしきは、なげきてとものうし。農

ウィンドウを閉じる