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J2380 四巻伝 耽空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0068A01: 傳法繪流通卷三
J17_0068A02:
J17_0068A03: 上人、入學のはじめ、諸一切種諸冥滅拔衆生出
J17_0068A04: 生死泥とうけたまひしより、ふかく此理を信じて、
J17_0068A05: 化度の心ざしあさからずして、諸宗は學するにした
J17_0068A06: がうて開悟、萬法は行ずるごとに證得し給ありさま、
J17_0068A07: あらあら後素を東界にとどめて、前途を西刹に望あ
J17_0068A08: まり、世のそしりをしらず、䚹謬あらば、かきつく
J17_0068A09: ろはせたまへ。人のあざけりをわする、あやまちあ
J17_0068A10: らばすて給へ。爰念佛の行人の中に宣下云、顯密兩
J17_0068A11: 宗、焦丹府歎息、南北衆徒、捧白疏而欝訟。誠
J17_0068A12: 可謂天魔遮障之結構、寧只非佛法弘通之怨讎乎。
J17_0068A13: 遂源空門弟等、不思議を示て、仰咎於本師、遠流
J17_0068A14: 處らる。凡往生極樂のみち、まちまちなるあひだ、
J17_0068A15: 名號の一門を開て、代にしたがふてひろめ、機にか
J17_0068A16: ぶらしめてさづくる中に、みづから邪儀をかまへて、
J17_0068A17: 僞て師説と號する刻、予一身につみながれて、遙に
J17_0068B18: 萬里のなみにながれにけらし。但この事をいたむに
J17_0068B19: はあらず。むかし、敎主釋尊は、因行のとき、檀施
J17_0068B20: のあまり、父の大王にいましめられて、かすかなる
J17_0068B21: 山にこめられ給しかども、其志不懲して、ますます
J17_0068B22: 修し給しかば、彼山を釋迦山と號して、つゐに正覺
J17_0068B23: のにはとなりにけり。愚老一人衆生をわたさず、諸
J17_0068B24: 佛菩薩またまたかくのごとし。然者更にうらむると
J17_0068B25: ころなし。敢てなげくことなかれ。抑結縁は、順逆
J17_0068B26: にわたり、引接人をきらはず。來迎に前後あり、遲
J17_0068B27: 速は人人の心なるべし。
J17_0068B28: 上人、つねに人にむかひて、唱たまへる文云、佛告
J17_0068B29: 阿難、汝好持是語、持是語者、即是持無量壽佛
J17_0068B30: 云云以之上人私曰、雖聞名號、不信之如不
J17_0068B31: 聞之、雖信之、不唱之如不信之。只つねに
J17_0068B32: 念佛すべし。
J17_0068B33: かかるほどに、小松殿に、靱かけられ給にけり。建
J17_0068B34: 永二年丁卯二月廿七日、還俗の姓名を給源元彥、配所

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