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J2380 四巻伝 耽空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0064A01: 仁和寺の法親王より、御師德のよしにめさるといへ
J17_0064A02: ども、隱遁の身におそれて、祇侯にあたはず。雖然、
J17_0064A03: 八條女院、慇福門女院、宜陽門女院、七條女院、准
J17_0064A04: 后宮、大臣、諸卿、戒文授者、念佛の歸依おほしと
J17_0064A05: いへども、關東には熊谷入道、鎭西には聖光等、敎
J17_0064A06: 門に入しより、他宗をのぞかざるともがら。
J17_0064A07: 弟子辨阿者、上人入室後、先遣伊州
J17_0064A08: 弘通念佛。還鎭西建立於光明寺、
J17_0064A09: 敎道一切衆生、遂往生、宛如本望。
J17_0064A10: 聖光及熊谷入道入室の圖
J17_0064A11: 後白川法王の御爲に、建久三年秋、大和入道親盛見
J17_0064A12: 佛、八坂の能引導寺に、七日、念佛つとめける。次
J17_0064A13: に禮讚の先達に、心阿彌陀佛、二條院御藏法則次第能信授之
J17_0064A14: 結願に、種種捧物を取出侍りければ、上人、ことの
J17_0064A15: ほかなる景色にて、念佛は自行のつとめ也。法王の
J17_0064A16: 御菩提に、迴向したてまつるところに、布施みぐる
J17_0064A17: しき次第也。ゆめゆめあるべからずといましめ給。
J17_0064A18: これ六時禮讚のはじめ也。
J17_0064B19: 南無釋迦牟尼佛等、一切三寶我今稽首禮、
J17_0064B20: 迴願往生無量壽國。
J17_0064B21: 住蓮。安樂。心阿彌陀佛。沙彌見佛。
J17_0064B22: 禮讚修行の圖
J17_0064B23: 大佛殿説法の圖
J17_0064B24: 觀經曼陀羅、唐より奉渡して、開題稱揚の次に、天
J17_0064B25: 台の大乘十戒を解し給に、いささかの䚹謬侍りけれ
J17_0064B26: ども、當寺の古德のなかに、兼日の夜の夢に、聊靈
J17_0064B27: 異しめすことありける間、件の次第、さきだちて披
J17_0064B28: 露侍りければ、大衆の中に、おのおのくちをとぢて
J17_0064B29: 云事なかりけりとぞ、都の人ひとは巷説し侍ける。
J17_0064B30: 無品親王靜忠御惱の時、門徒の高僧等、大般若經奉
J17_0064B31: 轉讀、各祈請申ども、猶御平癒の景色ましまさざり
J17_0064B32: ければ、上人を招請したてまつり、臨終の次第ども
J17_0064B33: 御尋仰らるるところ。
J17_0064B34: 親王上人對座の圖
J17_0064B35: 令旨仰云、いかがして此たび生死をはなれ侯べき。
J17_0064B36: 後生たすけさせ給へ。往生極樂の御願、御念佛には

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