ウィンドウを閉じる

J2380 四巻伝 耽空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0057A01: 大聖文殊之像一體
J17_0057A02: 天養二年乙丑月日 觀覺
J17_0057A03: 西塔北谷持法房禪下源光
J17_0057A04: この消息を披閲して、文殊像を相尋の處、生年十三
J17_0057A05: の少人許をさきにたてて登。仍奇異の思に住して後、
J17_0057A06: 一文をさづくるに、十文をさとる次第、まことにた
J17_0057A07: だ人にあらず。
J17_0057A08: 法花修業の候。普賢來現の圖
J17_0057A09: 久安三年丁卯仲冬、出家受戒。云云竊以、無明長夜以
J17_0057A10: 戒光而爲炬、滅後軌範以木叉而爲師。故受生昇
J17_0057A11: 沈依戒持毀、見佛有無任乘緩急。所以離雲不覓
J17_0057A12: 雨、避池不尋蓮。叶佛位計無離道心、取菩
J17_0057A13: 提藝有勤善根。其志を以、肥後阿闍梨皇圓に從
J17_0057A14: て、天台六十卷讀畢之。件闍梨、彌勒下生の曉を
J17_0057A15: またんがために、五十六億七千萬歳の間、遠江國笠
J17_0057A16: 原池に、大蛇となりてすまふべきよし、彼領家に申
J17_0057A17: 請て、誓にまかせて、死後即その池にすまふよし、
J17_0057B18: 時の人、遠近、見知するところ也。
J17_0057B19: 久安六年庚午生年十八、はじめて黑谷上人禪室
J17_0057B20: に尋いたる、同上人いでむかうて、發心の由
J17_0057B21: 來を問給ふに、親父夜打のために早世せしよ
J17_0057B22: り、この遺詞にまかせて、遁世のよし思たち
J17_0057B23: ける次第つぶさにかきくどき給ければ、さて
J17_0057B24: は法然具足の人にこそましますなれと侍し
J17_0057B25: より、法然といふ名は、のたまひける。
J17_0057B26: 出家受戒の圖
J17_0057B27: 叡空上人と對面の圖
J17_0057B28: 花嚴經披覽の時、あやしげなるくちなは、いできた
J17_0057B29: るを見て、同信空上人、これをおそれ給ひける夜の
J17_0057B30: 夢に、我はこれ上人守護爲、靑龍現ずるなり。更に
J17_0057B31: おぢられたまふべからずと。云云
J17_0057B32: 靑龍出現の圖
J17_0057B33: 暗夜に經論を見給に、灯明なけれども、屋内をてら
J17_0057B34: すひるのごとし、信空上人、同その光を見る。
J17_0057B35: 屋内放光の圖

ウィンドウを閉じる