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J2380 四巻伝 耽空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0056A01: ぞ、いただきに、そそぎける。いま思あはすれば、
J17_0056A02: 祕密灌頂とかやに、物はいはずして、いただきに、
J17_0056A03: そそぐと申は、かやうの事にや侍らん。
J17_0056A04: かたみとてはかなきおやのととめてしこのわかれ
J17_0056A05: さへまたいかにせん
J17_0056A06: 三。まことに、うめる子におしへらると。薩婆
J17_0056A07: 悉達の、母の御ために、耶摩經をとき給けん
J17_0056A08: も、さこそと、よろづをしのびて、ちかくは、
J17_0056A09: 人とならんことをまち、とをくは、佛になら
J17_0056A10: んまでをこそ、なき人のこけのしたまでも、
J17_0056A11: 申いれ侍らめ。されども、有爲のならひ忍び
J17_0056A12: がたく、昔、迦葉尊者だにも、別には、こゑ
J17_0056A13: 大千にうごかし、善吉尊者も、手に一鉢をす
J17_0056A14: て給ければ、まして女身にては、いかにもな
J17_0056A15: ぐさめがたく侍ぞや。
J17_0056A16: 母子訣別の圖
J17_0056A17: 二。この事はりをば。觀覺こそ申さまほしく侍つる
J17_0056A18: を、こまごまと、ありありしく、おほせ事侍れば、
J17_0056B19: それにつけても、かしこくぞ御學問のよし、思より
J17_0056B20: 侍ける。むかし、晋の叡公、いとけなくして、法花
J17_0056B21: 經翻譯とき、師匠の人天交接の詞、かきわづらい給
J17_0056B22: ける。さかしうおもひあはせられて、あはれにこそ。
J17_0056B23: 上 洛 の 圖
J17_0056B24: 夫以、天台山者、桓武先帝、傳敎大師、起誓於鷲嶺
J17_0056B25: 之月、弘法於馬臺之風。先帝闢平安城、而固百王
J17_0056B26: 之社稷、大師立延曆寺、而布一乘之垂迹。佛法王
J17_0056B27: 法互致衞護、一乘萬乘倶期周遍。古人有言、松茂
J17_0056B28: 栢喜芝死蘭泣、物之相感草木猶爾云云よりて山門には
J17_0056B29: ひとすぢに、君と國とをいのりたてまつり、皇帝
J17_0056B30: は、ふたごごろましまさず、法と人とを、はぐくみ
J17_0056B31: まします。因縁、靈山のむかしよりふかく、ちぎり
J17_0056B32: こと野野いまにひろし。
J17_0056B33: 登 山 の 圖
J17_0056B34: 初登山の時、ひさしの得業觀覺の狀云、
J17_0056B35: 進上

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