浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0013A01: | するに。且二種あり。一には觀念法門に。如觀經 |
J17_0013A02: | 下文。若有人至心常念阿彌陀佛及二菩薩。觀音勢 |
J17_0013A03: | 至常與行人。作勝友知識隨逐影護し給ふといへ |
J17_0013A04: | り。勢至菩薩道場に影現し給こと。深經釋に叶へり。 |
J17_0013A05: | 誰か疑心を懷かんや。二には上人は勢至菩薩の垂迹 |
J17_0013A06: | なりと云こと世擧てこれを稱す。爰に時衆等。念佛 |
J17_0013A07: | 勇猛にして。罪障微薄なれば。彌信心をまし。勇猛 |
J17_0013A08: | に勤行せしめんが爲に。聖力加祐して。幽に本身を |
J17_0013A09: | 見し給ふ歟。然ば則若は在世にも若は滅後にも。上 |
J17_0013A10: | 人勸化の流を信じて酌ん人は。自ら解脱の行を正し |
J17_0013A11: | て。兼ては他の誤を直べし。已に信ぜんものは彌信 |
J17_0013A12: | じ。いまだ信ぜざるものは早これを信ずべし。 |
J17_0013A13: | 後白川法皇。上人を勅請ありて。菩薩戒を説しめ。 |
J17_0013A14: | 兼ては往生要集を講ぜしめ給ふ時に。上人聲を澄し |
J17_0013A15: | て。夫往生極樂の敎行は。濁世末代の目足なり。道 |
J17_0013A16: | 俗貴賤誰か歸せざらん者と。よみあげ給へば。此一 |
J17_0013A17: | 言に。萬乘百官殿中簾中。今始てきこしめさるるや |
J17_0013B18: | うに。各心肝に染てたふとく。皆感涙を流し給へり。 |
J17_0013B19: | 太上法皇は。聞法隨喜の餘に。左京權太夫藤原隆信 |
J17_0013B20: | 朝臣に勅して。上人の眞影を寫さしめて。蓮華王院 |
J17_0013B21: | の寶藏に收られける。 |
J17_0013B22: | 東大寺の大勸進。俊乘房重源上人。念佛信仰の餘 |
J17_0013B23: | に。一の意樂を發て。我が國の道俗。閻魔呵責の庭 |
J17_0013B24: | 上に跪て其名字を答ん時。佛名を唱しめん爲に。阿 |
J17_0013B25: | 彌陀佛名をつくべしとて。先我が名を南無阿彌陀佛 |
J17_0013B26: | とぞ號せられける。我が朝の阿彌陀佛名は。此より |
J17_0013B27: | 始れり。 |
J17_0013B28: | 第十一 殿下敎命造書門 |
J17_0013B29: | 月輪の禪定殿下。宿縁に催されて。信仰世に超。崇 |
J17_0013B30: | 重比類なく。西方をもて所期とし。念佛をもて正業 |
J17_0013B31: | とし給へり。此によりて建久九年戊午の春。對馬左衞 |
J17_0013B32: | 門尉重經を御使者として。淨土の法門度度聽聞すと |
J17_0013B33: | いへども。公私忩劇の間。即施即廢なり。庶幾は紙 |
J17_0013B34: | 墨に載給て。廢忘に備侍らんと仰せられければ。上 |