浄土宗全書を検索する
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| 巻_頁段行 | 本文 | 
|---|---|
| J17_0007A01: | 門に入て。始て六萬遍を唱。已上載先師詞上人其後一萬遍 | 
| J17_0007A02: | を加て。毎日七萬遍の念佛の行者なり。有時上人悲 | 
| J17_0007A03: | 歎しての給はく。當世諸方の道俗を見聞するに。無 | 
| J17_0007A04: | 道心の者は。悉名利に住して。修行すること能ざれ | 
| J17_0007A05: | ば。生死を出るにあらず。道心智者は。今度輒生死 | 
| J17_0007A06: | を出難と謂て。遠來縁を期す。是故に順次の得脱は | 
| J17_0007A07: | なはだ思を絶たり。信心の手を空して法財をとらず。 | 
| J17_0007A08: | 所詮此は是或は淨土の縁なくして。累世難行の機な | 
| J17_0007A09: | り。或は淨土の縁あれども。いまだ良師に遇ざるの | 
| J17_0007A10: | 人なり。かくの如の二機は淨土の易行易往なること | 
| J17_0007A11: | をしらず。必永劫の行に趣。爰をもて源空が初の師。 | 
| J17_0007A12: | 肥後阿闍梨皇圓は。宏才博覽にして。智慧深遠なり | 
| J17_0007A13: | しかども。我が機分をはかるに今度生死を出難し。 | 
| J17_0007A14: | 蛇身長命の果報を受て。彌勒の出世に値て。得道せ | 
| J17_0007A15: | んと欲しけり。其願空からず。大蛇の身を受て。遠 | 
| J17_0007A16: | 江國笠原の庄櫻池水面一町許に住給。智慧あるが故に。 | 
| J17_0007A17: | 生死の離がたきことを知り。道心あるが故に。慈尊 | 
| J17_0007B18: | に遇んことを願。然どもいまだ淨土の法門を知給は | 
| J17_0007B19: | ず。誠に淺猿きことなり。此條源空が深歎なり。爾 | 
| J17_0007B20: | 時われもし此法門を知得たらましかば。信不信はい | 
| J17_0007B21: | ざしらず。勸化し申ん者を。哀なるかな。悲かな。 | 
| J17_0007B22: | 出離の甚難ことを深悲て。蛇身三熱の苦を受給ん。 | 
| J17_0007B23: | 第九 善導來現授敎門 | 
| J17_0007B24: | 有時上人。予に示て云。源空已に導和尚の釋に歸し | 
| J17_0007B25: | て。其元意を得たり。其元意とは。亂想の凡夫。但 | 
| J17_0007B26: | 無觀稱名の一行に依て。佛の本願をもて。增上縁と | 
| J17_0007B27: | して。順次に極樂世界に往生するなり。但自身の往 | 
| J17_0007B28: | 生は決定して疑なし。然に有縁の蒙昧を勸進して淨 | 
| J17_0007B29: | 土に生ぜしめんと欲ふ。所見の義勢是とやせん。非 | 
| J17_0007B30: | とやせん。凡智辨難しと。かく思惟して。心に念じ | 
| J17_0007B31: | 勞ふ夜の夢中に。一人の僧あり。腰より上は墨染。 | 
| J17_0007B32: | 裳より下は金色なる寶衣を著し給。予低頭合掌して | 
| J17_0007B33: | 問て云。大德は誰人ぞや。靈僧答給はく。我はこれ | 
| J17_0007B34: | 善導なり。汝專修念佛を弘通せんと欲する料簡の義 |