浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0006A01: | 細に聞へ難と高聲に談じけるが。後には舌を卷て信 |
J17_0006A02: | 伏し。良久聽聞して。掌を合せ讚して曰。我等が相 |
J17_0006A03: | 承の法門。いまだかくのごとき深義をしらず。公は |
J17_0006A04: | 何さま直也人には非じ。恐はこれ佛陀の化現ならん。 |
J17_0006A05: | 我願は初の問難の過を免ん爲に。一期の間供養した |
J17_0006A06: | てまつらんと欲すとて。毎年に供物を送られける。 |
J17_0006A07: | 第八 信修念佛往生門 |
J17_0006A08: | 上人生年九歳より。四十三に至まで。三十五年の學 |
J17_0006A09: | 問は。これ偏に出離の道にわづらひ。順次解脱の要 |
J17_0006A10: | 路をしらん爲なり。是に依て遍諸宗を學し給に。師 |
J17_0006A11: | 匠かへりて弟子となりぬ。有時上人。予に語ての給 |
J17_0006A12: | はく。法相三論天台華嚴眞言佛心の諸大乘の宗。遍 |
J17_0006A13: | 學し悉明るに。入門は異なりといへども。皆佛性の |
J17_0006A14: | 一理を悟顯ことを明す。所詮は一致なり。法は深妙 |
J17_0006A15: | なりといへども。我が機すべて及難し。經典を披覽 |
J17_0006A16: | するに。其智最愚なり。行法を修習するに。其心翻 |
J17_0006A17: | て昧し。朝朝に定めて惡趣に沈んことを恐怖す。夕 |
J17_0006B18: | 夕に出離の縁の闕たることを悲歎す。忙忙たる恨に |
J17_0006B19: | は渡に船を失がごとし。朦朦たる憂〓は闇に道に迷 |
J17_0006B20: | がごとし。歎ながら如來の敎法を習。悲ながら人師 |
J17_0006B21: | の解釋を學。黑谷の報恩藏に入て。一切經を披見す |
J17_0006B22: | ること。既に五遍に及ぬ。然れども猶いまだ出離の |
J17_0006B23: | 要法を悟得ず。愁情彌深。學意增盛なり。爰に善因 |
J17_0006B24: | 忽に熟し。宿縁頓に顯れ。京師善導和尚勸化の八帖 |
J17_0006B25: | の聖書上人在世般舟讚未流布故云八帖書を拜見するに。末代造惡の凡 |
J17_0006B26: | 夫。出離生死の旨を輒定判し給へり。粗管見してい |
J17_0006B27: | まだ玄意を曉めずといへども。隨喜身に餘り。身毛 |
J17_0006B28: | 爲竪て。とりわき見こと三遍。前後合て八遍なり。 |
J17_0006B29: | 時に觀經散善義の。一心專念彌陀名號の文に至て。 |
J17_0006B30: | 善導の元意を得たり。歡喜の餘に聞人なかりしかど |
J17_0006B31: | も。予が如の下機の行法は。阿彌陀佛の法藏因位の |
J17_0006B32: | 昔。かねて定置るるをやと。高聲に唱て。感悅髓に |
J17_0006B33: | 徹り。落涙千行なりき。終に承安五年乙丑の春。齡四 |
J17_0006B34: | 十三の時。たちどころに餘行をすてて。一向專修念佛 |