浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0005A01: | 申されける。抑法弟聖覺。黑谷の爲體を闚見に。谷 |
J17_0005A02: | 深して流淨。囂亂併去れり。路細して跡幽なり。隱 |
J17_0005A03: | 居尤便あり。聖敎藏に滿り。修學自勇。本尊光を耀 |
J17_0005A04: | す。行法何怠らん。遁世籠居の上人の。心を留給こ |
J17_0005A05: | と誠に其謂あり。上人此に住て。年月幾ならざるに |
J17_0005A06: | 眞言。戒律。一身に兼學して。血脈を叡空上人より |
J17_0005A07: | 稟承す。 |
J17_0005A08: | 第七 披攬一代聖敎門 |
J17_0005A09: | 一代の聖敎。飢を忍て終日披見し。諸宗の章疏。眠 |
J17_0005A10: | を除て通夜習學す。敎文を多諳じ。義理を深悟る。 |
J17_0005A11: | それ此篇に就て條條多端なれども。略して三五を記 |
J17_0005A12: | す。具に載に遑あらず。 |
J17_0005A13: | 一。暗夜に聖敎を見給に。燈なしといへども。室内 |
J17_0005A14: | 明なり。白河の信空上人。此瑞相を拜見して身毛爲 |
J17_0005A15: | 竪。感涙頻にして。ふかく上人の德を貴べり。 |
J17_0005A16: | 二。華嚴經披讀の時。靑蛇經机の上に蟠る。信空上 |
J17_0005A17: | 人又これを見て怪み心中に怖畏す。其夜の夢に。大 |
J17_0005B18: | 龍かたちを現じて。我はこれ華嚴經を守護する所の |
J17_0005B19: | 龍神なり。我を恐るる事なかれ。上人を守たてまつ |
J17_0005B20: | らん爲に。今顯現すといへり。 |
J17_0005B21: | 三。法華三昧を修行し給時。大白象王。道場に來現 |
J17_0005B22: | せり。 |
J17_0005B23: | 四。有時上人。予に語ての給く。我が性の分齊。何 |
J17_0005B24: | なる大卷の書なりとも。三遍これを闚讀ば文義を諳 |
J17_0005B25: | 記す。本朝將來の諸宗の聖敎廣披に。粗幽致を悟得 |
J17_0005B26: | て皆本宗の印可を蒙りき。 |
J17_0005B27: | 五。大納言律師寬雅に遇て。三論宗を習給ひし時。 |
J17_0005B28: | かの宗の法門。自見の義を演給に。寬雅是を聞て遍 |
J17_0005B29: | 身より汗を流し。言もいはず落涙して。隨喜の餘に。 |
J17_0005B30: | 祕書を取出して。自宗の法門付屬するに器量の人な |
J17_0005B31: | し。貴客すでに此法門に達し給り。授與するに足り |
J17_0005B32: | とて悉もて付屬す。 |
J17_0005B33: | 六。南都の贈僧正藏俊僧都に謁て。法相宗を學せし |
J17_0005B34: | 時。上人自義を述給に。藏俊。始には貴房の義勢細 |