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J2310 円光大師行状画図翼賛 円智・義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0684A01: て。行者の心これにもよほされて。惡ををそれ。惡
J16_0684A02: をとどむる。この心いよいよをこたらす。又近縁
J16_0684A03: によりて。凡夫のつたなき眼に報佛をみる。大善根
J16_0684A04: きはまりぬれは。此功力にもよほされて。已作の善
J16_0684A05: には。ふかく隨喜の心をおこし。未作の善にをい
J16_0684A06: ては修習のおもひ增進するが故に。增上縁といふな
J16_0684A07: り然則三心具足する故に。歸命の心おこる。これを
J16_0684A08: 南無といひ。三縁そなはれは。無碍光の體。我等が
J16_0684A09: 罪惡の身に。へだつるところなき功德を。阿彌陀佛
J16_0684A10: といふなり。故に南無阿彌陀佛と稱する。この六字
J16_0684A11: の名號に。一代の佛敎の本意も。ことことくにおさ
J16_0684A12: まり。十方三世の化物もしかしながらそなはるが故
J16_0684A13: に。念念不捨者是名正定之業。順彼佛願故といはれ
J16_0684A14: て。南無阿彌陀佛のほかに。又餘事なきなり。爰以
J16_0684A15: 釋には。自餘衆行。雖名是善若比念佛者。
J16_0684A16: 全非比挍也是故諸經中。處處廣讃念佛功能。如
J16_0684A17: 無量壽經四十八願中。唯明專念彌陀名號得生
J16_0684B18: 又如彌陀經中。一日七日。專念彌陀名號得生。
J16_0684B19: 又十方恒沙諸佛。證誠不虚也。又此經定散文中。
J16_0684B20: 唯標專念名號得生此例非一也。廣顯念佛三
J16_0684B21: 昧竟と判じたまへり。かくのことく。三心三縁。
J16_0684B22: 重重に分別すれは。あやまるところなくして。この
J16_0684B23: 愚惡の凡夫。直に報土の往生をとぐるなり。しかる
J16_0684B24: にこの惡人へだてすといふ。一分の道理をとりて。
J16_0684B25: 惡は憚へからすといふ邪見をおこし。惡くるしから
J16_0684B26: ずといふ僻見あり。これをのれが惡のとどめがたき
J16_0684B27: によりて。枉ていまの敎の所談と稱ずる事。はなは
J16_0684B28: だもて然へからず。垢障の機のうへに。南無阿彌陀佛
J16_0684B29: の行成すといへとも。先世の罪𠍴臨終までつきずし
J16_0684B30: て。苦にせめらるといへとも。其心みたれすは。往
J16_0684B31: 生をとぐる故に。觀經の下品下生を。此人苦逼 不
J16_0684B32: 遑念佛。善友告言汝若不能念者。應稱無量壽佛と説
J16_0684B33: 給へり。この文に付て。をのれか惡のとどめがたき
J16_0684B34: によりて。臨終狂亂すべきゆへに。狂亂すとも往生

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