浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0684A01: | て。行者の心これにもよほされて。惡ををそれ。惡 |
J16_0684A02: | をとどむる。この心いよいよをこたらす。又近縁 |
J16_0684A03: | によりて。凡夫のつたなき眼に報佛をみる。大善根 |
J16_0684A04: | きはまりぬれは。此功力にもよほされて。已作の善 |
J16_0684A05: | には。ふかく隨喜の心をおこし。未作の善にをい |
J16_0684A06: | ては修習のおもひ增進するが故に。增上縁といふな |
J16_0684A07: | り然則三心具足する故に。歸命の心おこる。これを |
J16_0684A08: | 南無といひ。三縁そなはれは。無碍光の體。我等が |
J16_0684A09: | 罪惡の身に。へだつるところなき功德を。阿彌陀佛 |
J16_0684A10: | といふなり。故に南無阿彌陀佛と稱する。この六字 |
J16_0684A11: | の名號に。一代の佛敎の本意も。ことことくにおさ |
J16_0684A12: | まり。十方三世の化物もしかしながらそなはるが故 |
J16_0684A13: | に。念念不捨者是名正定之業。順彼佛願故といはれ |
J16_0684A14: | て。南無阿彌陀佛のほかに。又餘事なきなり。爰以 |
J16_0684A15: | 釋には。自餘衆行。雖名是善若比念佛者。 |
J16_0684A16: | 全非比挍也是故諸經中。處處廣讃念佛功能。如 |
J16_0684A17: | 無量壽經四十八願中。唯明專念彌陀名號得生 |
J16_0684B18: | 又如彌陀經中。一日七日。專念彌陀名號得生。 |
J16_0684B19: | 又十方恒沙諸佛。證誠不虚也。又此經定散文中。 |
J16_0684B20: | 唯標專念名號得生此例非一也。廣顯念佛三 |
J16_0684B21: | 昧竟と判じたまへり。かくのことく。三心三縁。 |
J16_0684B22: | 重重に分別すれは。あやまるところなくして。この |
J16_0684B23: | 愚惡の凡夫。直に報土の往生をとぐるなり。しかる |
J16_0684B24: | にこの惡人へだてすといふ。一分の道理をとりて。 |
J16_0684B25: | 惡は憚へからすといふ邪見をおこし。惡くるしから |
J16_0684B26: | ずといふ僻見あり。これをのれが惡のとどめがたき |
J16_0684B27: | によりて。枉ていまの敎の所談と稱ずる事。はなは |
J16_0684B28: | だもて然へからず。垢障の機のうへに。南無阿彌陀佛 |
J16_0684B29: | の行成すといへとも。先世の罪𠍴臨終までつきずし |
J16_0684B30: | て。苦にせめらるといへとも。其心みたれすは。往 |
J16_0684B31: | 生をとぐる故に。觀經の下品下生を。此人苦逼 不 |
J16_0684B32: | 遑念佛。善友告言汝若不能念者。應稱無量壽佛と説 |
J16_0684B33: | 給へり。この文に付て。をのれか惡のとどめがたき |
J16_0684B34: | によりて。臨終狂亂すべきゆへに。狂亂すとも往生 |