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J2310 円光大師行状画図翼賛 円智・義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0682A01: 是ニテ聞ナレ思入ラレタル事ニテ候ヘハタツネキ
J16_0682A02: カセ給ヘク候云云トアリ
J16_0682A03: 又同年十月十二日の狀云。無智の人は往生せす。臨
J16_0682A04: 終正念にて命終すとも。往生とは定むへからす。學
J16_0682A05: 生はたとひ臨終狂亂すとも。なをこれ往生なりとい
J16_0682A06: ふこと。返返ひか事にて候也。無智の人往生せずと
J16_0682A07: いはは。彌陀の本願すでに機をきらふになる。その
J16_0682A08: 理しかるへからず。他力本願を信ぜは。有智無智み
J16_0682A09: な往生すへし。信心をおこして後には。學不學は人
J16_0682A10: の心にしたがふへきなり。本願を信ずる人。正念に
J16_0682A11: 住せんうへは。なんぞ往生せずといふべきや。又學
J16_0682A12: 生は臨終狂亂すとも。往生と定へしといふ事。經釋
J16_0682A13: の中に。その文惣じて見及候はす。道理また然へか
J16_0682A14: らす。凡往生極樂にをきては。もはら本願を信ずる
J16_0682A15: による。またく學生によらす。又無智によらざるな
J16_0682A16: り。信心もしおこらは。有智も無智も。臨終はかな
J16_0682A17: らす正念に住すへし。なんぞ學生にいたりて正念を
J16_0682B18: すてんや。もし學生なりとも。臨終狂亂せんは。も
J16_0682B19: とより信心なき故なり。但下品下生の。此人苦逼。
J16_0682B20: 不遑念佛等の文に。異義を成するともがら候歟。こ
J16_0682B21: の文の心は。ただ死苦の失念なり。またく狂亂顚倒
J16_0682B22: の相にあらす。されは釋には。臨終正念。金花來應
J16_0682B23: 也といへり。たとひ病死の苦痛ありとも。念佛の行
J16_0682B24: をこたらすは。かならす正念といふへきなり。苦痛と
J16_0682B25: 顚倒と。その體大にことなるゆへに候。かくのこと
J16_0682B26: きの荒説。御信用あるへからす。只一向本願をたの
J16_0682B27: みて。御念佛をこたらす候はん事。本意たるへく候な
J16_0682B28: り。已上取詮これらみな自筆判形の狀等なり。龜鏡とす
J16_0682B29: るにたれり。仰てこれを信ずへし。
J16_0682B30: ●釋ハ散善義也●苦痛ト顚倒ト此辨イマタ先德モ
J16_0682B31: 顯ハニ釋セス此義ナヲ後世ニ迷ヒヤスカランサレ
J16_0682B32: ハ略シテ其躰ヲ指示サル言心ハ若人臨終ノ時心
J16_0682B33: ニハ三種ノ愛心ナト密ニ起レト身ニハサノミ苦
J16_0682B34: 痛ヲモ不受形ヲ見レハ安泰ニシテ心ハアクマテ

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