浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
J16_0682A01: | 是ニテ聞ナレ思入ラレタル事ニテ候ヘハタツネキ |
J16_0682A02: | カセ給ヘク候云云トアリ |
J16_0682A03: | 又同年十月十二日の狀云。無智の人は往生せす。臨 |
J16_0682A04: | 終正念にて命終すとも。往生とは定むへからす。學 |
J16_0682A05: | 生はたとひ臨終狂亂すとも。なをこれ往生なりとい |
J16_0682A06: | ふこと。返返ひか事にて候也。無智の人往生せずと |
J16_0682A07: | いはは。彌陀の本願すでに機をきらふになる。その |
J16_0682A08: | 理しかるへからず。他力本願を信ぜは。有智無智み |
J16_0682A09: | な往生すへし。信心をおこして後には。學不學は人 |
J16_0682A10: | の心にしたがふへきなり。本願を信ずる人。正念に |
J16_0682A11: | 住せんうへは。なんぞ往生せずといふべきや。又學 |
J16_0682A12: | 生は臨終狂亂すとも。往生と定へしといふ事。經釋 |
J16_0682A13: | の中に。その文惣じて見及候はす。道理また然へか |
J16_0682A14: | らす。凡往生極樂にをきては。もはら本願を信ずる |
J16_0682A15: | による。またく學生によらす。又無智によらざるな |
J16_0682A16: | り。信心もしおこらは。有智も無智も。臨終はかな |
J16_0682A17: | らす正念に住すへし。なんぞ學生にいたりて正念を |
J16_0682B18: | すてんや。もし學生なりとも。臨終狂亂せんは。も |
J16_0682B19: | とより信心なき故なり。但下品下生の。此人苦逼。 |
J16_0682B20: | 不遑念佛等の文に。異義を成するともがら候歟。こ |
J16_0682B21: | の文の心は。ただ死苦の失念なり。またく狂亂顚倒 |
J16_0682B22: | の相にあらす。されは釋には。臨終正念。金花來應 |
J16_0682B23: | 也といへり。たとひ病死の苦痛ありとも。念佛の行 |
J16_0682B24: | をこたらすは。かならす正念といふへきなり。苦痛と |
J16_0682B25: | 顚倒と。その體大にことなるゆへに候。かくのこと |
J16_0682B26: | きの荒説。御信用あるへからす。只一向本願をたの |
J16_0682B27: | みて。御念佛をこたらす候はん事。本意たるへく候な |
J16_0682B28: | り。已上取詮これらみな自筆判形の狀等なり。龜鏡とす |
J16_0682B29: | るにたれり。仰てこれを信ずへし。 |
J16_0682B30: | ●釋ハ散善義也●苦痛ト顚倒ト此辨イマタ先德モ |
J16_0682B31: | 顯ハニ釋セス此義ナヲ後世ニ迷ヒヤスカランサレ |
J16_0682B32: | ハ略シテ其躰ヲ指示サル言心ハ若人臨終ノ時心 |
J16_0682B33: | ニハ三種ノ愛心ナト密ニ起レト身ニハサノミ苦 |
J16_0682B34: | 痛ヲモ不受形ヲ見レハ安泰ニシテ心ハアクマテ |