浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J15_0531A01: | ば常にもつかはず。しかれば對馬をも。うるはしき |
J15_0531A02: | をも文字の音を讀むをからと今はいふ。訓に讀ぞ日 |
J15_0531A03: | 本ことばにてはある。しかれば道心と菩提心とは一 |
J15_0531A04: | つ事を二やうにいふなり。されば無上菩提といひ。 |
J15_0531A05: | 無上道といふは同じ事をいふぞかし。其心をいへば |
J15_0531A06: | 又かはるべからず。凡この文のこころは。よろづを |
J15_0531A07: | 勸めて菩提の心を發さしめむとなり。これを取りて |
J15_0531A08: | も讀み。人の讀んをも聞かん人。實の心を發して誹 |
J15_0531A09: | り笑ふ事なかれ。其中に多くは經論に説ける事やん |
J15_0531A10: | ごとなき人の宣へる言なり。きたなき手にして執り。 |
J15_0531A11: | あなづらはしくすべからず。又一つをことして。十 |
J15_0531A12: | を生くといふ事もあり。只利益を先にせよ。それ菩 |
J15_0531A13: | 薩の心とす。利益に遠き近きあり。顯はなる隱れた |
J15_0531A14: | る別れたり。今は少し苦をあたへて。後に久しくや |
J15_0531A15: | すからしめ。顯には苦しむとみえて。かくれたる利 |
J15_0531A16: | 益のあるをば謗るべからず。 |
J15_0531A17: | 菩提心讚今私につくる |
J15_0531B18: | 文殊師利大聖尊 三世諸佛以爲母 |
J15_0531B19: | 一切如來初發心 皆是文殊敎化力 |
J15_0531B20: | 聞けばわれらが身の内に 眞如佛性そなはれり |
J15_0531B21: | 大聖文殊のをしへにて 心のはちすを開くべし |
J15_0531B22: | 善財童子の遊びしも 覺城娑羅の林にて |
J15_0531B23: | 文殊のをしへを聞てこそ 初めて心はおこいしか |
J15_0531B24: | 安養下品のはちすにて 觀音大悲の聲を聞き |
J15_0531B25: | 無上道心おこせるも なほこれ文殊の力なり |
J15_0531B26: | おもへば生死の海ふかく 煩惱惡業波たかし |
J15_0531B27: | 泥洹道のかの岸に いかにしてかは到るべき |
J15_0531B28: | 妙法蓮華の船にのり 精進波羅蜜帆をあげて |
J15_0531B29: | 妙吉祥尊楫を取り 解脱の風にぞまかすべき |
J15_0531B30: | 無明住地の長き夜に 妄想顚倒夢ふかし |
J15_0531B31: | 發心菩提のあかつきを いづれの程とか思ふべき |
J15_0531B32: | 一念刹那のいさぎよき 心をわづかに發すにぞ |
J15_0531B33: | 法性眞如の山の端に 毗盧の光りは見え給ふ |
J15_0531B34: | 金銀瑠璃の寳塔を 恒沙の數まで立なめて |