浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J15_0532A01: | 鈴鐸幡蓋かざるとも 終には塵とぞ成ぬべき |
J15_0532A02: | 無上菩提の心をし 須臾刹那も發せれは |
J15_0532A03: | 月日かさねて終りには 佛の悟りとなりぬなり |
J15_0532A04: | 皆人はげみてしばらくも 無上道心おこすべし |
J15_0532A05: | 此たびはかなく過しなは いづれの時とか思ふべき |
J15_0532A06: | 無數の劫をは送れとも 佛の御法はききがたし |
J15_0532A07: | 此世にあへるは淺ましき 浮木の龜とぞおもふべき |
J15_0532A08: | つらつら思へば誰とても 互ひに恩德あさからず |
J15_0532A09: | 恩義をしれらん人はみな 萬づの人をぞ救ふべき |
J15_0532A10: | 五道生死の間には 思ひ捨べき人もなし |
J15_0532A11: | 鐵城泥犁の底にして 猛火の㷔に身を焦し |
J15_0532A12: | 阿防羅刹の前に伏し 笞の下にてなきさけぶ |
J15_0532A13: | 寒氷地獄の谷の底 はげしき氷に閉られて |
J15_0532A14: | 溫和のあたたかなる空も 寒く悲しきめをぞ見る |
J15_0532A15: | 飢饉餓鬼の城にして 久しく飮食名もきかず |
J15_0532A16: | 畜生互爲殘害も おぼろげならねば免れず |
J15_0532A17: | おほよそ人中天上も 生老病死ぞ充ち滿る |
J15_0532B18: | これらの多の苦しみを 受るはむかしの親子也 |
J15_0532B19: | いかにも方便めぐらして 生死を度さんと思ふべし |
J15_0532B20: | われらは底下の身なれども 大悲心をこころとせん |
J15_0532B21: | 菩提心とはこれをいふ 瞿支がかゐごの鳴ける聲 |
J15_0532B22: | 佛のちかひとこれをいふ 龍子の七日におこす雲 |
J15_0532B23: | 發心畢竟二無別 如是二心先心難 |
J15_0532B24: | 自未得度先度他 是故我禮初發心 |
J15_0532B25: | 願以此功德 普及於一切 |
J15_0532B26: | 我等與衆生 皆共成佛道 |
J15_0532B27: | |
J15_0532B28: | 大治三年歳次戊申八月六日 沙門珍海書記 |
J15_0532B29: | 文永五年戊辰五月十九日 校合畢 |