浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J15_0530A01: | し。凡物いたくいふあしき事なり。 |
J15_0530A02: | 問貴とき歌を心すましてうたひ。若は讀み出すは罪 |
J15_0530A03: | か 答歌に三品あるべし。人を戀ひ嘆き。花を弄び |
J15_0530A04: | などしてよみ歌ふは深き罪なり。只何となくざれて |
J15_0530A05: | 口をかしき事をいふ。さまでの罪ならず。信心を發 |
J15_0530A06: | して佛をほめ。法をほむる歌は。伽陀を頌じ唄散花 |
J15_0530A07: | しなどすると。但同じ事の國國の風に隨ひて易れる |
J15_0530A08: | なり。されば全く罪うべきにあらず。 |
J15_0530A09: | 問女身には五の障ふかしといへば。これをいやしむ |
J15_0530A10: | 程に法華經を聞けば。龍女も佛に成り。藥王品を持 |
J15_0530A11: | ても往生すと説かれたり。されば又厭ふまじきかと |
J15_0530A12: | 覺ゆ。これをいかにか定むべき 答龍女が佛になり |
J15_0530A13: | しも變成男子といへば。さながらは佛にならず。藥 |
J15_0530A14: | 王品を持て極樂に生るれど。彼國にて男子と成るも |
J15_0530A15: | のなり。されば猶いとふべきなり。又涅槃經に云く。 |
J15_0530A16: | よろづの河は皆ゆがみて流れたり。よろづの女は心 |
J15_0530A17: | うるはしからずといへ共。此閻浮提の外に倶耶尼と |
J15_0530B18: | いふ國にはす繩を引けるやうにうるはしくながれて |
J15_0530B19: | 海に入れる河あり。女の中にも。慈悲の心あり。戒 |
J15_0530B20: | 行を受持ち。經法を行ふ者ありといへり。而も又有 |
J15_0530B21: | 經には多くの淨土の因縁を明すには。心のうるはし |
J15_0530B22: | きを初めとせり。されば淨土には海山もなく平かな |
J15_0530B23: | るぞかし。女の心おほくはうるはしからずと見えた |
J15_0530B24: | り。淨土を願はば女身をいとふべし。又涅槃經に云 |
J15_0530B25: | く。男子なれども一切衆生の身に佛性ありと知らず。 |
J15_0530B26: | 如來は常住に在すとしらざるはこれ女人也。女なれ |
J15_0530B27: | ども佛性常住をしれるをばおのことすべしと説給へ |
J15_0530B28: | り。これにてこころ得べし。いとふべし。又賤しむ |
J15_0530B29: | まじきは。女人の身なり |
J15_0530B30: | 問道心といひ。菩提心といふは異なるか同きか 答 |
J15_0530B31: | 同じ事なり。天竺の言には菩提といふ。唐には道と |
J15_0530B32: | いふ。日本にはみちといふなり。つしまと。からと |
J15_0530B33: | は。倶にからの言なり。而も對馬は訛れり。わが國 |
J15_0530B34: | にこれを傳へて常に用ひる。うるはしきをも。音を |