浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J15_0529A01: | に縁あつくは極樂を願ふべし。彌勒に契ふかくば |
J15_0529A02: | 兜率を願ふべし。心の引かん方を縁ありとは知るべ |
J15_0529A03: | きか。各思ひ得んに隨がへ。いづれをも謗るまじ。 |
J15_0529A04: | 又人に隨ひつつ輙く改めざれ。おもひ定めて久しく |
J15_0529A05: | 行ひてはいかにもさてあるべし。火を鑚にたゆむが |
J15_0529A06: | ごとくせざれ。 |
J15_0529A07: | 問淨土に生れんにはよろづの行ひを兼ぬべきか 答 |
J15_0529A08: | 本は爾るべけれ共。淺き人は唯一つをよくねんごろ |
J15_0529A09: | にしてもありなん。それぞよかるべき。野にかかり |
J15_0529A10: | 山にかかる。由なかるべし。さりとて偏に唯一つを |
J15_0529A11: | のみせよとにはあらず。よくこころ得べし。 |
J15_0529A12: | 問淨土の果報は。いと妙なるものを。只一つの事に |
J15_0529A13: | ては。いかが到るべき。遠き道を行かんに。旅路の |
J15_0529A14: | 物の具をそなへざらんがごとし 答般若經に云。一 |
J15_0529A15: | つの行ひを淨くすれば。すなはちよろづの事をそな |
J15_0529A16: | ふ。かくのごときの行ひは。一つなれども。淨土に |
J15_0529A17: | 生るといへり。 |
J15_0529B18: | 問道心ある人をば。いかが知るべき 答内にその心 |
J15_0529B19: | あれども。定めてありと見ん事難し。又其ありさま |
J15_0529B20: | 佛の敎に契へらんをこそは。大方その相にはせめ。 |
J15_0529B21: | 生しと見えて熟る菓もあれば。實にわきまへ難し。 |
J15_0529B22: | 而も有人語りて云く道心ある人に三つの相なん有 |
J15_0529B23: | る。一には。物最愛がりし心うるはしき。二には。 |
J15_0529B24: | ともすれば心を澄まし涙もろなる。三には。ともす |
J15_0529B25: | れば。あてそはなとて。世の中の事を事ともせぬ。 |
J15_0529B26: | これらは内に道心ある者の有る事ぞとなん。古き聖 |
J15_0529B27: | は宣ひしと語る。これ淺はかに。事つきぬやうなれ |
J15_0529B28: | ども。善くをもへばさぞあるかしとなん覺ゆる。 |
J15_0529B29: | 問もの頌じて心ゆかし順の讀經する罪か功德か 答 |
J15_0529B30: | 法を輕むる罪ありなん。されども偏の惡業にはあら |
J15_0529B31: | ず。而も中中に花だのをびをうたひ。かんなぎの皷 |
J15_0529B32: | を打て佛に奉らんには劣りなんなどどいへば。深き |
J15_0529B33: | を淺くなすは罪なるべし。惡きを善になさんは。深 |
J15_0529B34: | き心にかなふべしされどもこれらはせでありぬべ |