浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J15_0528A01: | なり共。飢たる人。狗に施す。眞功德なり。佛を供養す |
J15_0528A02: | るにも勝れり。さて行末に救はんと思へば。ますます |
J15_0528A03: | 目出たし。やがて三寳を供養するに成りぬ。又逢ん |
J15_0528A04: | 人。生き物ごとに菩提心を發せといひ聞かせよ。鳥獸 |
J15_0528A05: | にも聞き知りて心を發す者あり。まして人はいふべ |
J15_0528A06: | きならず。若うち出していはんに。憚あらん時には。 |
J15_0528A07: | ただ心に思へ。かく相見るゆゑに後の世にすくはん |
J15_0528A08: | と。これを法施とす。寳を施すに勝れたる事喩へな |
J15_0528A09: | し。又あながちに財施を好まんに物なくは。人の施 |
J15_0528A10: | さんを見て。したがひ喜べ。その二人の福ひとし。 |
J15_0528A11: | 問聽聞はこのむべしや 答獸すら聞きて心地ごごろ |
J15_0528A12: | を發す。況や人をや。縱ひ道心なけれともきけば其 |
J15_0528A13: | 心つきぬ。增て本つちしろあらん人をや。中にも世 |
J15_0528A14: | に菩提講といふ事好み聞くべし。菩提の名をはこと |
J15_0528A15: | に貴べ。菩提子の念珠を好みなどすべし。菩提のこ |
J15_0528A16: | ころと志し願はん人。その門に入て勸めよ。 |
J15_0528A17: | 問兜率と極樂とはいづれか勝れる 答極樂ひとへに |
J15_0528B18: | 淨土なり。惡道も女人もなし。兜率は娑婆のうち。 |
J15_0528B19: | 鬼神も女人もあり。しかれば今少し極樂は勝れり。 |
J15_0528B20: | 問いづこかまゐりやすき 答極樂はやすし。 |
J15_0528B21: | 問淨土の勝れたるを易しといふ事。もぢりさかさま |
J15_0528B22: | なるやうに聞こゆ。いかにぞや 答よき淨土を願へ |
J15_0528B23: | ば。易く惡業をほろぼす。娑婆の内を願はんには重 |
J15_0528B24: | き罪をば亡ぼしがたし。兜率をとれりとも。惡道に |
J15_0528B25: | あらねば。重き罪を持ながらやは生るべき。されば |
J15_0528B26: | 罪深からん人は。極樂を願ひて。心たかき。心つよ |
J15_0528B27: | き志にて。惡道の業をほろぼして往生を遂ぐべし。 |
J15_0528B28: | 問兜率には鬼神あるなり。鬼は惡道のうちにあらず |
J15_0528B29: | や 答四重五逆を持ながら。かしこの鬼にならば兜 |
J15_0528B30: | 率に生れたる甲斐なし。四重五逆を失ひて生るべく |
J15_0528B31: | は。鬼神とてもやすかるべきにあらず。然ればさわ |
J15_0528B32: | やかに極樂を願ふ勝れり。又うるはしく西に打向き |
J15_0528B33: | たる穩かにして行ひに便あり。重き罪あらん人。易 |
J15_0528B34: | く罪をほろぼすべし。しかもいひせめては。阿彌陀 |