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J2190 菩提心集 珍海 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J15_0527A01: のたまはず。それに向ひて何にか受くる 答みずか
J15_0527A02: ら申したててこれを受く。しるべし師の受くべき近
J15_0527A03: き所になくば形像には受べきなり。凡戒の事は細か
J15_0527A04: に問ひ聞くべし。これにはかぎらず。
J15_0527A05: 問尼は人ばなれて住べしや 答尼の寺をば京の内に
J15_0527A06: 立よと説けり。しかれば平城京にも法華寺といふ尼
J15_0527A07: の寺は京中にあり。尼その寺に住て法華經よむを勤
J15_0527A08: とすべし扨法華寺と名づく。六十餘國の國ごとに國
J15_0527A09: 分寺と尼寺とをおふやけは造らせ給へり。その尼寺
J15_0527A10: を見て法華寺といひて食ひ物着物の沙汰をも。しを
J15_0527A11: かせ給へり。凡尼の住は。人離るまじ。事に觸れて
J15_0527A12: おそりあればなり。
J15_0527A13: 問尼もや袈裟をば着る 答爾なり。但沙彌の尼は。
J15_0527A14: 唯ま袈裟を着べし。ま袈裟は。うるはしく縵袈裟と
J15_0527A15: 云。縵とて人の居所に引きへだつる物のやうにて中
J15_0527A16: にちがへ縫ひたる所もなきなり。又此世の尼などの
J15_0527A17: 懸帶とて打かけたるは。まひろげたらんがなめげな
J15_0527B18: るをつくろふなるべし。されば只の女もするなり。
J15_0527B19: 帶せるおりにも亦するぞ。袈裟に用ひたるかと覺ゆ
J15_0527B20: る。かくやうの、□□
J15_0527B21: □ふかき山を越え。なゐふり。神鳴らん時には。阿彌
J15_0527B22: 陀佛を念ぜよ。常に死ぬる事をおもふをば。念死と
J15_0527B23: いふ行ひとせり。
J15_0527B24: 問夢に貴き事罪の事などを見ては。人に語りなどす
J15_0527B25: べき歟 答眞に貴き夢をば。たやすく。人にかたら
J15_0527B26: ず。語れば罪を得。それならぬ功德も。わが事を人に
J15_0527B27: きかせまほしうするは罪なり。しかも同じ心に行ふ
J15_0527B28: 人などの。聞て心發すべきには隱さず。又貴き夢を
J15_0527B29: 見せなどして人を試る魔事もあれば。いたくし得た
J15_0527B30: り貌には有まじ。罪の事も又佛の告て心得させ給へ
J15_0527B31: ば。かなしふかなしふ懺悔する目出たし。
J15_0527B32: 問貧しからん者は。何をか三寳に供養して福を得べ
J15_0527B33: き 答貧女が一燈といふ事あり。佛は心ざしを貴と
J15_0527B34: ひ給ふ。事を大きにするのみにあらず。又一盛の物

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