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J2190 菩提心集 珍海 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J15_0525A01: 足といふは尾の形なるべし。さて風に飛せんとて幢
J15_0525A02: には懸るなり。これらは佛を嚴れる目出たき功德と
J15_0525A03: は成る。香花も佛前をいつくしく飾り潔ふするなり。
J15_0525A04: 香爐はわが口の香をかくす。如意は口はたらきて見
J15_0525A05: ぐるしきをかくす。牛王尊者。牛の生を久しく受て。
J15_0525A06: 人に生れても其すそこりありければ呞むとて。口を
J15_0525A07: はたらかすを隱さんとて始れるなり。錫杖は聖。人
J15_0525A08: の家に行きて物乞ふに家、□□
J15_0525A09: □かはれるなり。本はそたうばと云ふ。それをそとば
J15_0525A10: といひなせり。其はじめの言を除てたうばといふ。
J15_0525A11: たうばを猶つづめて塔といふ。
J15_0525A12: 問塔を造る功德いかがある 答聖敎を見るに。佛像
J15_0525A13: と塔と堂とをば同じやうにいへり。然も塔は處をあ
J15_0525A14: らはす。佛像は其ぬしを顯はす。塔には舍利を置く。
J15_0525A15: 同じ塔なれども形像のかぎりをすゑ奉るをば支提と
J15_0525A16: いふ。舍利を置さ。形像を置かんとて立たる塔なれ
J15_0525A17: ども。又そのあたり。その境の莊と成る。しかれば
J15_0525B18: 善き處ぞと人に知らせんとては。塔を立て其を示す
J15_0525B19: なり。若經卷所住之處皆應起七寳塔と説ける
J15_0525B20: 此こころ也。如來の生れ給ひし處。成道し給ひし處。
J15_0525B21: 法説給ひし處。涅槃に入り給ひし處。この四の處を
J15_0525B22: ば。親り行ても見。若は遠く想ひやりても拜みて。
J15_0525B23: 常に心を係ればかならず天に生るといふ。若天を願
J15_0525B24: はずば淨土の業にならん。然れば又かしこには塔を
J15_0525B25: 立たりと説ける事あり。
J15_0525B26: 問出家の人は。いくらの戒をか受る 答沙彌と沙彌
J15_0525B27: 尼とは十戒を受く。さきあまは六の戒を習ふ。比丘
J15_0525B28: は二百五十戒。比丘尼は五百戒を受け持つ。しかる
J15_0525B29: に此世の尼はこれ沙彌尼なり。比丘尼はあらず。戒
J15_0525B30: 壇に登りて後に比丘尼とはいふなり。然れば只十戒
J15_0525B31: をうけたる沙彌尼の尼とてはあるなり。
J15_0525B32: 問あまといふ名は故やある十戒とは何ぞ 答天竺に
J15_0525B33: は阿摩といふ。唐には母といふ。此にはははといふ。
J15_0525B34: 然も比丘尼を敬ひてははといふなり。女を敬ふには

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