浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J15_0524A01: | みて口によする程に火に成りてもえあがりぬ。目連 |
J15_0524A02: | 尊者かなしひて。佛に申し給ひければ。佛のたまふ |
J15_0524A03: | やう。七月十五日は。佛歡喜したまひ。僧自恣する |
J15_0524A04: | 日なり。其日百味飯食の物を鉢に盛りて。衆僧に供 |
J15_0524A05: | 養せば。母の苦みを救ひてんと仰せらる。目連その |
J15_0524A06: | ままにして。母の苦患を濟ひたり。其をかたぎにて。 |
J15_0524A07: | 此世にもするなり。七月の望の日は。佛の喜びたま |
J15_0524A08: | ふ日なり。其故はもろもろの僧。安居のつとめを。 |
J15_0524A09: | 四月の十五日に始めて。九十日の程步行かで。をの |
J15_0524A10: | をの學問おこなひし。戒行つつがなくして居たり。 |
J15_0524A11: | 其つとめ常よりも勵む。七月十五日に日の數足りて。 |
J15_0524A12: | 事なく行ひ得たり。しかれば佛歡び給ふ。衆僧は自 |
J15_0524A13: | 恣といふ行ひして。潔くしてをのをの外外へ去り趣 |
J15_0524A14: | く。年の夏ごとにかくしつつ。數をかさねて數まさ |
J15_0524A15: | るを上とし。少なきを下にするなり。 |
J15_0524A16: | 問人の子。親の爲に功德造るをば。死に去れる親は |
J15_0524A17: | 知るや 答知るもあり。しらぬもあり。中有の程本 |
J15_0524B18: | の家にさすらふには見も知るべし。又天上などに往 |
J15_0524B19: | けるは見るべし。又論の中に云。人の親死終りて家 |
J15_0524B20: | の片角に鬼になりて居たり。子ども佛事すれば。生 |
J15_0524B21: | をかへたれどもわが子供の。われを濟はんとて功德 |
J15_0524B22: | を造るよと見歡びて。其心によりて苦みをまぬかる |
J15_0524B23: | といへり。 |
J15_0524B24: | 問人の法事するに花鬘幡かくるはなんぞ。香花は何 |
J15_0524B25: | の爲にたてまつるぞ。磬は何の故に鳴すぞ。如意香 |
J15_0524B26: | 爐は何の故に取るぞ。錫杖は何なる物ぞや 答花鬘 |
J15_0524B27: | はかふりがたなり。花かづらといふ。幡をば幡とい |
J15_0524B28: | ふ。これは唐の文字なり。天竺には波多といふ。今 |
J15_0524B29: | の人はたといふは。本の天竺の名を呼ぶなり。天竺 |
J15_0524B30: | には御門の居所などに。此幡を懸て莊れり。今佛を |
J15_0524B31: | あがむるには。事毎に大王のごとに准へてかれを用 |
J15_0524B32: | る。然も物の形は皆由あり。幡のかたちいと恠しく |
J15_0524B33: | 意も得ず。今これを思ふに鳥の形なるべし。先の尖 |
J15_0524B34: | れるは觜なり。つぎつぎのつぼは身なり。手は羽。 |