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J2190 菩提心集 珍海 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J15_0520A01: 納め奉りて崇むべし。又忌日せぬは菩薩の戒にいめ
J15_0520A02: る事なり。しかればかならずその日經を讀むべし。
J15_0520A03: 問逆修とて生るおりに四十九日の事するは何事そや
J15_0520A04: 答中有の旅を弔ふ事。其時に親しき人のせんずる功
J15_0520A05: 德を兼てわれ仕置きつれはいよいよ目出たき事な
J15_0520A06: り。經には逆修三七日といへり。逆とはあらかじめ
J15_0520A07: といふ事ぞ。預めとは兼てといふ事なり。三七日と
J15_0520A08: は三七日行ふべしとなり。四十九日は七日七日を足
J15_0520A09: せば違ふまじ。されは又ただ七日する人も此世には
J15_0520A10: あり。されども經のままならは本は三七日なり。中
J15_0520A11: 有の旅は程定まりなし。七日も二七日も三七日も四
J15_0520A12: 七日も五七日も六七日も七七日もあり。大方は七七
J15_0520A13: 日にて定むる也。それより久しといふ事もあり。さ
J15_0520A14: れど七七を打まかせたる事とす。中有の間はいかに
J15_0520A15: まれ程もなきなり。三七日といは多くはそれには過
J15_0520A16: ぎぬ。
J15_0520A17: 問藥師經に四十九日の勤にて閻魔王の許より還り來
J15_0520B18: といふ事を讀む。隨ひて還る人世にもあり。其はい
J15_0520B19: かなる事ぞや 答閻魔王の許へはいまだ死果ぬおり
J15_0520B20: にも往くことあり。若死果て後の中有に移りなば還
J15_0520B21: り難し。生ながら往くとは夢などのやうにて心ばか
J15_0520B22: り往き還るなりされば經には夢より覺るが如しとい
J15_0520B23: へり。
J15_0520B24: 問地藏菩薩觀音などの地獄にゆき閻魔王にあひて結
J15_0520B25: 縁の人をこひ請け濟ひ給ふ事を聞く。それは實か
J15_0520B26: 答爾なり大悲の誓ひふかき菩薩の習ひとして。皆露
J15_0520B27: ばかりの縁をも結ひつれは。それを力にて濟ひ給ひ。
J15_0520B28: 苦にも代るべきには代りたまふなり。
J15_0520B29: 問菩薩はいかなる形にてか地獄の門には至り給ふら
J15_0520B30: ん 答大師の云く。佛の形と閻魔王の形とに現じて
J15_0520B31: 入給ふ。さらねは獄率ふせいで入れぬなり。
J15_0520B32: 問衆生の苦みに菩薩の代り。又人の親子。知れる人。
J15_0520B33: 功德を作りて逝ける人をとふらふに其功德を得とい
J15_0520B34: ふ事意得す。佛法の習ひは。自業自得果とて。人の

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