浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J15_0518A01: | 意珠王の中より八功德の水を出せり。散る花路を失 |
J15_0518A02: | なへども人天步みてまどはず。光り夜晝なけれども |
J15_0518A03: | 水鳥さへづり志づまれり。宮殿王を瑩きしらべたり。 |
J15_0518A04: | 忍辱の衣の袖には。戒香の燒物匂ひを移し法喜の鉢 |
J15_0518A05: | の内には禪悅の味ひ露を含めり。天人聖衆の心の中 |
J15_0518A06: | に勞ふ事なし。九品往生の輩。喜べどもまた貪ぼら |
J15_0518A07: | ず。蓮の濁りにしまず。小鳥の植木に傳ふか如し。 |
J15_0518A08: | 願ふ所は菩提の寶物。憐む者は衆生のひとり子也。 |
J15_0518A09: | 壽は極りなけれども悲願の故には捨も去りぬ。又神 |
J15_0518A10: | 通は恣きままなれども有縁の前には引き止められ |
J15_0518A11: | ぬ。煩惱を斷ざる人も一念のまどひを起さず。生死 |
J15_0518A12: | を離れぬ人も。五道の里をば去り別れたり。凡夫の |
J15_0518A13: | 身ながらも佛に同しく。有漏のさかひをも無爲のご |
J15_0518A14: | とくにせり。かかれば彼に往んと思はば菩提の心を |
J15_0518A15: | 發せといふなり。 |
J15_0518A16: | 文永五年戊辰五月十二日校合畢 |
J15_0518A17: | |
J15_0518B18: | 菩提心集下 |
J15_0518B19: | |
J15_0518B20: | 珍 海 已 講 述 |
J15_0518B21: | |
J15_0518B22: | 問聞く閻魔法王といふ鬼の君いまして。世の人の善 |
J15_0518B23: | 惡を斷り定むなりと。然らば極樂に生るる人をもや |
J15_0518B24: | 彼に定むる 答有る人かの國より還り來て語りけ |
J15_0518B25: | り。閻魔の宮の僧の像を書て懸たり。こは誰れ人ぞ |
J15_0518B26: | と問ひつれば。これは智覺禪師といふ人なり。この |
J15_0518B27: | 人此世の沙汰にかからず。これは上品上生にうまれ |
J15_0518B28: | たる人なり。これ世に絶たる事なれは。その像を見 |
J15_0518B29: | 知らんとて寫さしめて置けるなりとなん。答へつる |
J15_0518B30: | となんいひけり。爾れは往生の人にとりて閻魔の定 |
J15_0518B31: | めに入らぬは希なるべし。然かも生るるばかりの人 |
J15_0518B32: | は多くは我身みづからかの定めの庭に出る事はある |
J15_0518B33: | まし。但罪の注し文に其名の入たるならん。 |
J15_0518B34: | 問罪人は其庭に出て定めを蒙る歟 答定めを見聞く |
J15_0518B35: | は。よろしき時の事なり。やがて地獄へ入る者もあ |