浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
J15_0517A01: | る道。すみやかに菩提を取る事生を隔てず。久しく |
J15_0517A02: | 生死に止まりて多くのくるしみを受べきに。思ひも |
J15_0517A03: | かけぬ悲願に逢ひて。五道生死を離れなんづるを。 |
J15_0517A04: | 菩提心の人ごとにおもひ止まらるるいかんぞ。たと |
J15_0517A05: | ひ發しがたくとも勵みてこそ發さんとおもふべけ |
J15_0517A06: | れ。況や菩提心のありさま向に明しをわりにき。中 |
J15_0517A07: | にも涅槃經の力には。一切衆生に佛性あり。如來は |
J15_0517A08: | 常住にましますと。一たびも耳にふれつれば。聲の |
J15_0517A09: | 光り身の内に入りてかならず菩提心を發さしむ。た |
J15_0517A10: | とひこれを謗りて心を發さじとすまふ人あるには。 |
J15_0517A11: | 文に羅刹の畏しき形を見せて道心を發さずは。取り |
J15_0517A12: | 食ひてんといふ。これに驚き怖て菩提心を發すとい |
J15_0517A13: | へり。すまふすら爾り。況や願はん者をや。又菩提 |
J15_0517A14: | 心を發さんと願はば文殊に祈るべし三世の佛の發心 |
J15_0517A15: | の初め皆文殊により給ふ。知べし普賢は菩薩の行ひ。 |
J15_0517A16: | とぢめ究む。文殊は菩提の心を發し初めしむ。法花 |
J15_0517A17: | 經にもしかれば始めをば文殊のひらいたまひ。終り |
J15_0517B18: | をば普賢のとぢめ給ふ。此こころなり。今菩提の心 |
J15_0517B19: | を願はば文殊にいのるべし。 |
J15_0517B20: | 問ことの次なれば問ひあらわさん。普賢文殊は一つ |
J15_0517B21: | がひにこそ申せ。聞くが如きならば。普賢文殊一つ |
J15_0517B22: | 口に申すべからず 答發心畢竟二無別。如是二心先 |
J15_0517B23: | 心難といふ。初めの難き事まことに知り易し。きは |
J15_0517B24: | むる事をほめんに又それ明かなり。然れば二りの菩 |
J15_0517B25: | 薩はとりどりの事。いへばひとしきなり。 |
J15_0517B26: | 問此事を聞くになを先の疑ひにかへりぬ。發心畢竟 |
J15_0517B27: | の中に發心は難さか。なれは易しといふ事又やぶれ |
J15_0517B28: | ぬ 答發心の難きは文殊に逢ひ難ければなり。文殊 |
J15_0517B29: | に遇ふ事を得つれば。發心は易かるべし。 |
J15_0517B30: | 問極樂はいかばかりの處なれば。かならす菩提心を |
J15_0517B31: | 發して生るるぞ 答彼の樂みは菩提の樂みに近づけ |
J15_0517B32: | り。佛淨土の樂を構へて菩提に進むる端とし給へり。 |
J15_0517B33: | 爾れば必菩提心を本として往生すとはいふなり。凡 |
J15_0517B34: | かの國は。金剛の寳幢ありて瑠璃の大地をささげ如 |