浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
J15_0515A01: | を念ぜよ。經に極樂を願ふともいまだ定まらざらん |
J15_0515A02: | に。藥師の御名を聞かば八人の菩薩をつかはして道 |
J15_0515A03: | を示さんといひ。又これ佛の深き境界なり。思議す |
J15_0515A04: | べからずといへり。又方等陀羅尼經を書け。又惠心 |
J15_0515A05: | 僧都は丈六の佛を造るをぞ。決定往生の業とはのた |
J15_0515A06: | まひける。 |
J15_0515A07: | 問天王寺の西門の念佛は尤すべき事か何にぞや。答 |
J15_0515A08: | 尤すべき事なり 問ただ閑かならん處にて西に向て |
J15_0515A09: | 念佛せば何れの所なり共さてありぬべし。あながち |
J15_0515A10: | にえりくり參りたりとて何事かは有べき。貴き寺。 |
J15_0515A11: | 止ごとなき聖の跡其數あり。天王寺の西門ならんか |
J15_0515A12: | らにかならず念佛の處にてあるべきかは。若太子の |
J15_0515A13: | 御跡をいはば法隆寺橘寺も同じ事にはあらずや 答 |
J15_0515A14: | 太子の御跡いづくよりも芳ばし。わが家は西方にあ |
J15_0515A15: | りと宣へる救世觀音出おはしまして佛を始め行ひ給 |
J15_0515A16: | へり。爾る聖の御跡をだにも尋ずしては。いづこか |
J15_0515A17: | 求むべきや。太子の御跡の中にも天王寺これ異なる |
J15_0515B18: | 處也。御手の璽し給へる縁起の文に寳塔金堂は極樂 |
J15_0515B19: | の東門の最中にあたれりと記されたり。しかれば東 |
J15_0515B20: | 門に向はんとて西門へ參ることはりなり。 |
J15_0515B21: | 問極樂は廣き國。佛大きに人いやしからず。其東門 |
J15_0515B22: | はかならず天王寺一つにや當らんずる。又かの國の |
J15_0515B23: | 東の門唯ひとつのみやはあるべき。此大宮だにも十 |
J15_0515B24: | 二の門を開ける者をや 答極樂いまだ見ぬ處。但聖 |
J15_0515B25: | の御言によるべし。さしりありがほに箇樣の事いふ |
J15_0515B26: | もいとしもなき事なり。しかれば國ひろけれとも東 |
J15_0515B27: | 門はせばくもあらん。門はおほかれども此國の人の |
J15_0515B28: | 入るは一つにてもあらむ。然れば天王寺の西門を出 |
J15_0515B29: | て極樂界の東門に入んに直く向ひて行けば往生の正 |
J15_0515B30: | しき道とすべし。これ想ひを勸むる道なり。又外な |
J15_0515B31: | り共想ひをすすめば足りぬべし。 |
J15_0515B32: | 問我等佛を念ずる共明かに覺ゆる事なし。わざと疑 |
J15_0515B33: | ひ謗る事はなけれど。身をかへり見れば。 かなひが |
J15_0515B34: | たし。かく思ふ思ふ念佛せんは徒事にやなるべき |