浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J15_0514A01: | し。其故は四重を犯さず。戒を持てらん者は。下品 |
J15_0514A02: | 上生に生るべし。四重を犯すとも五逆をつくらぬは |
J15_0514A03: | 下品中生に生るべし。五逆の罪はおぼろけにては造 |
J15_0514A04: | れる人なければ。下品下生に降らん事は稀なるべし。 |
J15_0514A05: | 聲聞の行ひをせねば中品の三生にはあるまじ。菩薩 |
J15_0514A06: | の數には入ども。定りたる位に昇らねば。上品の三 |
J15_0514A07: | 生には進み難かるべき歟。 |
J15_0514A08: | 問臨終に善き友に遇ひ。正念に住せん事は求むべし |
J15_0514A09: | や 答尤願ふべき事なり。一生の間の罪業を好めど |
J15_0514A10: | も。善き友はこれを改め。正念なるは罪をほろぼし |
J15_0514A11: | て淨土に生るる者なり。縱ひ一生の間。させる罪も |
J15_0514A12: | なくて功德を好めども。終りの一念に。ひがさまに |
J15_0514A13: | なりて惡道に入る者あり。其に就ても善友ねがふべ |
J15_0514A14: | し。正念これ祈るべき者なり。 |
J15_0514A15: | 問いかでか逢ひ。いかでかおこすべき 答大般若に |
J15_0514A16: | 云く。正信あれば。まことの善き友を得といへり。 |
J15_0514A17: | しかれば信心あらん人は。をのづから善知識に逢ひ |
J15_0514B18: | なん。惡人の善き友に遇ふは。おぼろけの事にあら |
J15_0514B19: | ざるべし。又諸諸の功德かしこけれども□智惠には |
J15_0514B20: | 及ばず又廣く正敎を聞きて邪見におつべし。しか□ |
J15_0514B21: | と知りて。往生すると思ひをなせば。亦生るる事を |
J15_0514B22: | 得といへり。又かねを打ならして念佛を勸めよ。か |
J15_0514B23: | ねは如來の信の鼓なりといふ事あり。又大師の宣は |
J15_0514B24: | く。天竺の人は此生の功德を書記して。終りには人 |
J15_0514B25: | に讀せて聞く。一生の功德を恃みて歡びの心をおこ |
J15_0514B26: | すといへり。今これらをおもふに病もせで卒に死な |
J15_0514B27: | むは口惜き。兼て終りを知れるに最ねがはしき事な |
J15_0514B28: | り。問病ひ人をばいかが看あつかふべき 答その邊 |
J15_0514B29: | りに香を燒け。穢らはしきを避よ。藥を營み偏に觀 |
J15_0514B30: | 音を念じて病ひ止と祈れ。病ひ人の心を護りて腹を |
J15_0514B31: | 立ざれといへり。 |
J15_0514B32: | 問往生の業を行ふとも定めて生ん事をば爭でか知る |
J15_0514B33: | べき。定業不定業といふ事あるなれば覺束なき事な |
J15_0514B34: | り 答云つとめばかならず定業と成なん又藥師如來 |