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J2190 菩提心集 珍海 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J15_0514A01: し。其故は四重を犯さず。戒を持てらん者は。下品
J15_0514A02: 上生に生るべし。四重を犯すとも五逆をつくらぬは
J15_0514A03: 下品中生に生るべし。五逆の罪はおぼろけにては造
J15_0514A04: れる人なければ。下品下生に降らん事は稀なるべし。
J15_0514A05: 聲聞の行ひをせねば中品の三生にはあるまじ。菩薩
J15_0514A06: の數には入ども。定りたる位に昇らねば。上品の三
J15_0514A07: 生には進み難かるべき歟。
J15_0514A08: 問臨終に善き友に遇ひ。正念に住せん事は求むべし
J15_0514A09: や 答尤願ふべき事なり。一生の間の罪業を好めど
J15_0514A10: も。善き友はこれを改め。正念なるは罪をほろぼし
J15_0514A11: て淨土に生るる者なり。縱ひ一生の間。させる罪も
J15_0514A12: なくて功德を好めども。終りの一念に。ひがさまに
J15_0514A13: なりて惡道に入る者あり。其に就ても善友ねがふべ
J15_0514A14: し。正念これ祈るべき者なり。
J15_0514A15: 問いかでか逢ひ。いかでかおこすべき 答大般若に
J15_0514A16: 云く。正信あれば。まことの善き友を得といへり。
J15_0514A17: しかれば信心あらん人は。をのづから善知識に逢ひ
J15_0514B18: なん。惡人の善き友に遇ふは。おぼろけの事にあら
J15_0514B19: ざるべし。又諸諸の功德かしこけれども□智惠には
J15_0514B20: 及ばず又廣く正敎を聞きて邪見におつべし。しか□
J15_0514B21: と知りて。往生すると思ひをなせば。亦生るる事を
J15_0514B22: 得といへり。又かねを打ならして念佛を勸めよ。か
J15_0514B23: ねは如來の信の鼓なりといふ事あり。又大師の宣は
J15_0514B24: く。天竺の人は此生の功德を書記して。終りには人
J15_0514B25: に讀せて聞く。一生の功德を恃みて歡びの心をおこ
J15_0514B26: すといへり。今これらをおもふに病もせで卒に死な
J15_0514B27: むは口惜き。兼て終りを知れるに最ねがはしき事な
J15_0514B28: り。問病ひ人をばいかが看あつかふべき 答その邊
J15_0514B29: りに香を燒け。穢らはしきを避よ。藥を營み偏に觀
J15_0514B30: 音を念じて病ひ止と祈れ。病ひ人の心を護りて腹を
J15_0514B31: 立ざれといへり。
J15_0514B32: 問往生の業を行ふとも定めて生ん事をば爭でか知る
J15_0514B33: べき。定業不定業といふ事あるなれば覺束なき事な
J15_0514B34: り 答云つとめばかならず定業と成なん又藥師如來

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