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J2190 菩提心集 珍海 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J15_0513A01: 南無阿彌陀佛と稱へしむ。佛の御名を稱るに五十億
J15_0513A02: 劫の生死の罪を滅しつ。かの佛すなはち化佛化觀世
J15_0513A03: 音化大勢至を遣はして迎へ給ふ生れて七七日を經て
J15_0513A04: 花開けて大悲觀世音菩薩に遇ひ奉りて菩提心を勸め
J15_0513A05: 發ひて十小劫を經て初地に入る事を得。下品中生の
J15_0513A06: 人は。五戒八戒具足戒を破り。僧祇の物をぬすみ。
J15_0513A07: 現前僧の物を取り。不淨に法を説て慚愧ある事なし。
J15_0513A08: 諸の惡法を以てみづから具へたり。此人惡業の故に
J15_0513A09: 地獄に墮べし。終りに臨みて地獄の猛火きたり集る。
J15_0513A10: 善知識の其爲に阿彌陀佛の十力の功德佛の智惠に十の力あり是を十力
J15_0513A11: と云戒定惠。解脱。解脱知見を是を五分法身といふ説き讚るに遇
J15_0513A12: ひて。聞き終りて八十億劫の生死の罪を除く。地獄
J15_0513A13: の猛火化して凉しき風となりて。諸の天の花を散す。
J15_0513A14: 花ごとに化佛菩薩ましまして此人を迎ふ。すなはち
J15_0513A15: 七寳の池の中に生れぬ。六劫を經て蓮すなはち開け
J15_0513A16: て觀音勢至に遇ひ奉る。妙なる御音を出して其人を
J15_0513A17: こしらへ。大乘の法を説き給ふ。聞てすなはち無上
J15_0513B18: 道の心を開く。下品下生の者は。十惡五逆の諸の不
J15_0513B19: 善を造て。惡道に多くの劫を經て苦を受る事窮りな
J15_0513B20: かるべし。此愚なる人終りに臨みて。善知識さまさ
J15_0513B21: まにこしらへて法を説き。佛を念ぜしむるに遇ひぬ。
J15_0513B22: 其人苦に逼られて。佛を念ずるに遑あらず。善知識
J15_0513B23: 敎へて云く。汝もし念ずる事あたはずは。無量壽佛
J15_0513B24: と稱すべし。かくのごとく心を至して聲をたやさず
J15_0513B25: 十念を具足して南無阿彌陀佛と稱ふ。佛の御名を稱
J15_0513B26: ふるが故に念念の中に八十億劫の生死の罪を除て。
J15_0513B27: 命終らんとする時。金蓮華を見る。猶日輪の如くにし
J15_0513B28: て其人の前にあり。すなはち彼國の蓮華の中に生れ
J15_0513B29: ぬ。十二大劫に滿て蓮はじめて開く。觀音勢至。大悲
J15_0513B30: の聲を出して爲に罪を除く法を説き賜ふ。聞きをは
J15_0513B31: りて。すなはち菩提の心を發す。此九品往生の事は經
J15_0513B32: を釋せる人人。ひろく是を述たり。今は具にせず。
J15_0513B33: 問我等この世の人。九品往生の中には。いづれの品
J15_0513B34: にか生れぬべき 答下品上生下品中生の間にあるべ

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