浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J15_0510A01: | 此下の一つの問答はかるがるしく人に見せあわくす |
J15_0510A02: | まじきなり。 |
J15_0510A03: | 問いかにしてか心眼をひらくべきや。答まづ身を調 |
J15_0510A04: | へ擧動をしづめよ。齋戒を身に持ち。半跏を居ずま |
J15_0510A05: | ゐにせよ。立居起臥に心をしづむれども居るを宗と |
J15_0510A06: | せよ。半跏とは片足を上にて居る。右の趺を左の䏶に |
J15_0510A07: | 置く。うるはしく坐て右の手を左の手の上にかさね |
J15_0510A08: | て足の上におく。扨息のいで入りに微の音あるやう |
J15_0510A09: | に覺ゆ。徐徐息を出し入るれば有か無かにしづまり。 |
J15_0510A10: | よそよそに成りぬ。扨目をとづるやうにして心をわ |
J15_0510A11: | が面ざまにやり。心散りさわがば強に面に止めんと |
J15_0510A12: | もすまじ。但箭一つが内に心を運らし遊ばしめよ。 |
J15_0510A13: | 籠の内の鳥の飛べども出ず。迯ねども遊ぶやうにせ |
J15_0510A14: | よ。扨やうやう包みつめて一間が内を想へ。後には |
J15_0510A15: | 居所ばかり。後には身ひとつ。後に貌に止めよ。扨 |
J15_0510A16: | しづまらばわが眉の間を想へ。扨後に佛の眉間の相 |
J15_0510A17: | を想へ。心くらくは。形像の眉間を見よ。能つらつ |
J15_0510B18: | らと見へて扨やうやう目をひさぐやうにして想へ。 |
J15_0510B19: | 度かさなればをのづから明らかなるべし。七日ばか |
J15_0510B20: | り日ごとに二時三時づづも勤めて。夕さり夜なかな |
J15_0510B21: | どに痛く身を苦るしめずして習はかし行かば少しの |
J15_0510B22: | しるしを得てん。又鉢に水を入れて物をなげて水を |
J15_0510B23: | 動かしてやうやうづづ小物を投て後に水をしづめ |
J15_0510B24: | て。心の散り動き。心しづまるに喩へ知れ。かくす |
J15_0510B25: | れば心しづまりぬ。これを禪定といふ。心しづまり |
J15_0510B26: | ぬれば心眼をのづから開けぬ。水しづまりて影あら |
J15_0510B27: | はるるが如し。この行ひ佛道の近き門なり。心を一 |
J15_0510B28: | つにすとは是なり。又阿彌陀佛阿彌陀佛と申し居て |
J15_0510B29: | これを得る事もあり。其心を得て申さば今すこし好 |
J15_0510B30: | かるべし。此生に心眼を開き得ずとも次の生に疾く |
J15_0510B31: | ひらけん事。此つとめによるべし。今習はずは後に |
J15_0510B32: | も得がたかりなん 上の一ことおもくせよ |
J15_0510B33: | 問よろづの善事には魔事のさまたげありと聞く。今 |
J15_0510B34: | めでたき行ひに入らば魔事さだめて競ひなん聞えた |